研究概要 |
本研究は機械学習を利用して一枚の二次元顔画像から三次元顔画像を生成することを第一段階目の目的としている.今回使用する機械学習では多くの学習データを必要とし,2012年度,本研究は構築するデータベースの要件策定と,実際の構築を第一の目的としていた.具体的には多視点・多照明で撮影した,表情の生成過程が分かる動画像が多人数分必要となる.三次元顔を生成する為には顔の凹凸を知る必要があり,これを確認するために照明条件を工夫し撮影機材を作成した。複数台のカメラを用いて同一タイミングで多くの顔画像を撮影できる.本研究では主に水平に並べられた7台のカメラと上下のカメラ3台,計10で同時撮影したデータを使用しようと考えている.それらの結果,企業からの協力を得,数百枚の画像データを収録するデータベースを構築できた。収録データ数は今後も追加していく予定である。 また,三次元顔画像復元に使用する機械学習法についても研究を進めた.代表的なものでは主成分分析,独立成分分析,Sparce Codingなどがある.一枚の顔画像から表情を持つ三次元顔画像を復元する際には例えば正面と傾き30度の顔画像,もしくは真顔と笑顔の顔画像の対応付けが必要となる.復元実行時には入力となる顔画像から姿勢や表情を変化させた顔画像の推定を行う為,それらを連結させた枠組みの概要を作成させた。現段階では最も一般的な修正分析を用いてこの枠組みの精度評価を行っているが,従来法以上の成果が得られるであろう見通しを既に取得できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2012年度,本研究は構築するデータベースの要件策定と,実際の構築を第一の目的としていた.企業との共同研究により数百枚の画像を有するデータベースを構築できた点については一定の成果を出せたと考える.また,これに併せ研究に必要な要素技術の学習を進めてきたので,今後はこれを用いて研究を進めていきたい.
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