• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

卵子が精子をエンドサイトーシスにより取りこむ過程の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12J09656
研究機関千葉大学

研究代表者

大和屋 健二  千葉大学, 大学院医学研究院, 特別研究員(PD)

キーワード受精 / 先体 / 精子
研究概要

昨年度は実施目標であるequatorinと共免疫沈降する分子の質量解析による同定と、その結果得られた分子の細胞発現用ベクターの作成を達成した。
本年度は以上の結果をもとに解析を進めた。Equatorinの共免疫沈降では先体および先体周囲のマトリクスと相互作用により、非特異的な分子が多く得られ、より精密な分子間相互作用の解析が必要であることが明らかとなった。現在、直接な結合をする分子を得るため試行錯誤を行っている。また、培養細胞を用いた解析ではトランスフェクション効率と過剰発現の影響で解析に問題が発生している。その対策としてFlp-In T-Rexシステムを用いたテトラサイクリンで誘導する安定発現株を作製し、効率の良い系を確立することを開始した。
上記問題の対策として、共免疫沈降によらない方法でequatorinと相互作用する分子の同定を開始した。先体反応の解析の結果、equatorinタンパク質に対して酵素活性を示す分子を発見することができた。equatorinの分子量の約半分は糖鎖修飾であり、それらの翻訳後修飾変化の解析はequatorinタンパク質のノックアウトマウスの解析では得られない翻訳後修飾の意義を明らかにすることができる。この酵素を同定するため、活性を指標にこの酵素の精製を行う系を確立した。
エンドサイトーシス過程の解析に関してはEQT-EGFPマウスにおける遺伝子座を決定し高輝度EQT-EGFPマウスを作製することができている。EQT-EGFPマウスを用いた受精におけるエンドサイトーシス過程のライブイメージングに取りかかることが出来た。より効率的に初期の受精を撮影する方法を検討している。相互作用する分子の決定後、その分子の動態を解析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

共免疫沈降による相互作用する分子の同定は遅れている状況であるが、別の方法で相互作用する分子の同定は進行している。また、糖鎖修飾などの翻訳後修飾に関する情報も得られているため。

今後の研究の推進方策

共免疫沈降による相互作用する分子の同定は検証作業のための培養細胞を用いた実験において、トランスフェクション効率と過剰発現が一つの問題となり遅れている。この対策としてFlp-In T-Rexシステムを用いたテトラサイクリン誘導が可能な安定発現株の作製をおこなう。また、equatorinの性質上、間接的に結合した分子が多く、より直接的に結合する分子を得るには慎重を有するため遅れが生じている。対応策として別の方法で相互作用する分子の同定を試みており、順調に進行している。In vivoの実験系では有胎盤類で保存性の高いドメインに変異を導入したマウスを作製し、タンパク質のドメインの機能解析を進める。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (11件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 精子先体赤道部糖タンパク質equatorinの糖鎖修飾変化に関わる酵素の探索2014

    • 著者名/発表者名
      大和屋 健二
    • 学会等名
      第119回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      自治医科大学キャンパス(栃木県)
    • 年月日
      2014-03-29
  • [学会発表] トランスジェニックマウスを用いた精子ODF2の解析2014

    • 著者名/発表者名
      伊藤千鶴
    • 学会等名
      第119回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      自治医科大学キャンパス(栃木県)
    • 年月日
      2014-03-29
  • [学会発表] マウス精子における膜タンパク質ベイシジン分子の特性2014

    • 著者名/発表者名
      前川眞見子
    • 学会等名
      第119回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      自治医科大学キャンパス(栃木県)
    • 年月日
      2014-03-29
  • [学会発表] モノクローナル抗体MC101が認識する精子タンパク質の解析2014

    • 著者名/発表者名
      陳城
    • 学会等名
      第119回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      自治医科大学キャンパス(栃木県)
    • 年月日
      2014-03-29
  • [学会発表] Equatorinノックアウト雄マウスの受精現象2014

    • 著者名/発表者名
      年森清隆
    • 学会等名
      新学術領域研究動植物に共通するアロ認証機構の解明 第8回領域会議
    • 発表場所
      名古屋大学東山キャンパス 野依記念学術交流会館(愛知県)
    • 年月日
      2014-01-10
  • [学会発表] 精子先体赤道部糖タンパク質equatorinの分子量低下に関わる酵素の探索2014

    • 著者名/発表者名
      大和屋健二
    • 学会等名
      新学術領域研究動植物に共通するアロ認証機構の解明 第8回領域会議
    • 発表場所
      名古屋大学東山キャンパス 野依記念学術交流会館(愛知県)
    • 年月日
      2014-01-09
  • [学会発表] 精子先体赤道部タンパク質Equatorinの先体反応に伴う翻訳後修飾変化2013

    • 著者名/発表者名
      大和屋健二
    • 学会等名
      第58回日本生殖医学会 学術講演会・総会
    • 発表場所
      神戸国際会議場神戸ポートピアホテル(兵庫県)
    • 年月日
      20131115-16
  • [学会発表] 抗equatorin抗体を用いた精子の質の評価法の検討2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤千鶴
    • 学会等名
      第58回日本生殖医学会 学術講演会・総会
    • 発表場所
      神戸国際会議場神戸ポートピアホテル(兵庫県)
    • 年月日
      20131115-16
  • [学会発表] 高解像顕微鏡およびSTEDを用いた受精関連タンパク質Equatoriの解析2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤千鶴
    • 学会等名
      日本顕微鏡学会第69回学術講演会
    • 発表場所
      ホテル阪急エキスポパーク(大阪府)
    • 年月日
      20130520-22
  • [学会発表] マウス精巣および精子におけるbasiginおよびその結合分子の解析2013

    • 著者名/発表者名
      前川眞見子
    • 学会等名
      日本アンドロロジー学会第32回学術大会ならびに総会 および第19回精子形成・精巣毒性研究会共同開催学会
    • 発表場所
      グランキューブ大阪(大阪府)
    • 年月日
      2013-07-26
  • [学会発表] 本当は怖い配偶子の老化-精子と卵子のアンチエイジング2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤千鶴
    • 学会等名
      第13回日本抗加齢医学会総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2013-06-28
    • 招待講演
  • [図書] Sexual Reproduction in Animals and Plants2014

    • 著者名/発表者名
      Ito C, Yamatoya K, Toshimori K.
    • 総ページ数
      480(85-95)
    • 出版者
      Springer Japan

URL: 

公開日: 2015-06-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi