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2012 年度 実績報告書

市民宗教と社会統合の構想-革命後アメリカ・フランスにおける政教関係思想の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12J10022
研究機関東京大学

研究代表者

高山 裕二  東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード市民宗教 / 社会統合 / 19世紀 / 初期社会主義 / トクヴィル / 政教関係 / リヴァイヴァリズム / ピエール・ルルー
研究概要

1年目は、「予備的考察として政治思想史における宗教の位置づけを整理する」という研究計画を立てたが、概ね順調に遂行することができた。日本政治学会「宗教と政治」年報委員会(年三回の研究会、2012年3月29日、同年9月20日、2013年2月2日、於:早稲田大学)において、政治思想史における宗教の位置づけを、市民宗教の概念史の整理を通じて行なった。また、その際、次年度以降の課題であった「革命後フランスの政教関係を歴史的に考察する」という点も、3つの社会統合思想の系譜である(と本研究では位置づけた)(1)ネオ・カトリシズム、(2)実証主義、(3)社会主義/社会的ロマン主義のうち、(3)に関する研究に着手し、その成果を政治学会年報に発表予定の論文で示すことができた。とくに、社会統合における宗教の役割を明確化したルソーの市民宗教論が、フランス革命を経ても「社会主義」(たとえばピエール・ルルーの思想)によって継承されたことを明らかにできたことは収穫だった。革命期の「市民宗教」の暴力性を指摘しながらも、社会統合には既成宗教とは異なる「宗教的なもの」(「人間性」のような普遍的な理念を含む)が必要であると主張されたのである。他方で、次年度以降のもう1つの課題である、フランスとは異なる「ユダヤ=キリスト教文化に根差したアメリカに独自な市民宗教の特質を明らかにする」という点についても、その足がかりとして、レオ・ダムロッシュ(ハーヴァード大学教授)の著書、『トクヴィルが見たアメリカ--現代デモクラシーの誕生』の翻訳を行なうなかで、アンテベラム期におけるアメリカの宗教社会の全体像を把握する作業に着手できた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 未完の「市民宗教」-ピエール・ルルーとリベラルな社会主義の萌芽2013

    • 著者名/発表者名
      高山裕二
    • 雑誌名

      日本政治学会年報

      巻: 2013-I ページ: 104-124

  • [図書] トクヴィルが見たアメリカ--現代デモクラシーの誕生2012

    • 著者名/発表者名
      レオ・ダムロッシュ(永井大輔・高山裕二訳)
    • 総ページ数
      354
    • 出版者
      白水社

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公開日: 2014-07-16  

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