研究課題/領域番号 |
12J10032
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
吉田 彩舟 明治大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 下垂体 / 幹・前駆細胞 / 発生・分化 / 組織特異的転写因子 / 標的遺伝子探索 / 相互作用因子探索 |
研究概要 |
本研究は下垂体特異的転写因子PROP1の幹・前駆細胞における機能解析を目的としている。具体的には1.ChIP-on-chip法を用いたPROP1の標的遺伝子探索、2.酵母Two Hybrid法を用いた相互作用因子探索により、PROP1の機能解析に行う。本年度の研究成果は以下の通りである。 1.標的遺伝子探索:これまでに我々はPROP1に対する抗血清を作製しており、本抗体を用いたChIP-on-chip系による標的遺伝子探索を進めている。本年度は抗血清からのPROP1特異抗体の精製を行い、PROP1特異的なIgG画分を得ることに成功した。また、ChIP assayの実験系に関しても構築が終了し、本精製抗体を用いたChIPassayを実施し、近々にDNA chipの委託解析を行う段階である。 2.相互作用因子の探索:今年度は、Baitとする転写因子コンストラクトのクローニング、1.0x10^6tfu/ugDNAを安定的に達成する高効率での酵母形質転換方法の確立、10%を超える高効率での接合方法の確立を終了した。現在、構築したプロトコルに基づき、相互作用因子のスクリーニングを実施中である。 これまでの我々の組織化学的解析結果から、下垂体において転写因子PROP1が発生・分化に必須な遺伝子群を制御する「マスター因子」である可能性が高いと考えられる。来年度では、本年度構築した系を用いることで、標的遺伝子ならびに相互作用因子の解明が可能であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点では標的遺伝子、相互作用因子の候補を絞り込めていないが、それら目的達成に必要な実験系の構築が終了したため、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は本年度構築した系を用いて、下垂体特異的転写因子PROP1の標的遺伝子、相互作用因子の探索を展開する。また、同時に成熟ならびに発生過程下垂体マイクロアレイから選抜した、下垂体幹・前駆細胞で発現する因子に関して、PROP1との関係を免疫組織化学により解析する。
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