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2013 年度 実績報告書

金属過オキソ酸ホスホニウム触媒の創製およびその酸化反応への応用

研究課題

研究課題/領域番号 12J10071
研究機関名古屋大学

研究代表者

堤 亮祐  名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード有機化学 / 有機合成化学 / 不斉合成 / ホスホニウム塩 / 酸化反応
研究概要

本研究ではこれまでに、金属オキソ酸としてアリルアルコールのエポキシ化やスルフィド酸化等への適用が期待できるバナジン酸(VO_3^-)に着目し、キラルアミノボスホニウム-バナジン酸塩触媒の創製およびその不斉酸化反応への適用を試みた。その結果、触媒の調製方法を確立し、その酸化活性を確認したうえで触媒のカチオン構造が反応速度に与える影響に関して、一定の知見を得た。また本触媒をN-スルホニルイミンの酸化反応へ適用する過程で、この形式の反応を金属フリーな条件下、すなわち有機塩基触媒と過酸化水素を用いて実現できる可能性を見出し、種々の条件検討により、有機塩基触媒として光学活性トリアミノイミノホスホランを用いトリクロロアセトニトリルを添加することで、過酸化水素による不斉酸化反応が効率的に進行することを明らかにした。
本年度は、この類例の無い酸化反応系の詳細についてさらなる検討を行い、触媒構造と反応のエナンチオ選択性との相関および基質適用範囲について精査した。特に、α位に不斉点を有するラセミ体のイミンに対して反応を適用したところ、片方のエナンチオマーが優先して反応し、可能な四つのジアステレオマーのうち一つが高い選択性で生成した。すなわち、触媒のトリアミノイミノホスホランが、イミンのプロキラル面た加えてα位の不斉点をも認識することでN-スルホニルイミンの速度論的光学分割を達成できたといえる。
本反応は、求電子的酸化剤およびオキシアミノ化試剤として知られるN-スルホニルオキサジリジンを高立体選択的に合成できる一般性の高い方法であると言え、合成化学的に高い価値を有している。また本研究は、キラル塩基触媒により、過酸化水素からより高い酸化力を有するペルオキシイミデートを生成させ制御できることを実証した初めての例である。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Catalytic Asymmetric Payne Oxidation under the catalysis of P-Spiro Chiral Triaminoiminophosphorane : Application to the Synthesis of N-Sulfonyl Oxaziridines2014

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Uraguchi, Ryosuke Tsutsumi, Takashi Ooi
    • 雑誌名

      Tetrahedron

      巻: 70 ページ: 1691-1701

    • DOI

      10.1016/j.tet.2013.12.086

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Practical Preparation of Chiral N-Sulfonyl Oxaziridines via Catalytic Asymmetric Payne Oxidation2014

    • 著者名/発表者名
      Ryosuke Tsutsumi, Seonwoo Kim, Daisuke Uraguchi, Takashi Ooi
    • 雑誌名

      Synthesis

      巻: 46 ページ: 871-878

    • DOI

      10.1055/s-0033-1340818

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Catalytic Asymmetric Oxidation of N-Sulfonyl Imines with Hydrogen Peroxide-Trichloroacetonitrile System2013

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Uraguchi, Ryosuke Tsutsumi, Takashi Ooi
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society

      巻: 135 ページ: 8161-8164

    • DOI

      10.1021/ja403491j

    • 査読あり

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公開日: 2015-07-15  

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