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2014 年度 実績報告書

液体推進剤パルス型プラズマスラスタにおけるプラズマの発生及び加速過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12J10079
研究機関東京大学

研究代表者

川嶋 嶺  東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード宇宙電気推進 / プラズマ流体 / 数値流体力学 / 希薄流体力学
研究実績の概要

電気推進機等で見られる強く磁化されたプラズマ流れの解析において,正イオンの流れとそれに比べて質量が非常に小さな電子の流れは別々に扱われることが多いが,この際,電子流の移動度は磁力線に平行な方向に卓越するという特徴を持つ.そのため従来は,磁力線に平行な方向には定常なボルツマン分布を仮定し,磁力線に垂直な方向の流れのみを解析する,いわゆる1.5次元計算が主として行われてきた.しかし最近は,容器壁面でのシース条件をプラズマのダイナミクスに適切に反映するために,2次元で流束保存を満たした計算を行う必要性が認識されるようになってきている.本論文の目的は,強く磁化された電子流を2次元で保存則を満たし,かつ速く安定的に計算できる手法を考案することである.
準中性プラズマの電子流体を解く際には拡散現象が主体の楕円型方程式が一般的に用いられるが,電子が強く磁化された場合には,異方性拡散の成分が問題の硬直性を増加させ,交差拡散の成分が陰解法における係数行列の対角優位性を損なう,という数値計算上の難しさがあった.この難しさを回避するために,楕円型方程式を等価な双曲型方程式系に変換し,風上差分を適用することで安定に計算するという新しいアプローチを提案している.さらに,双曲型方程式系として記述された電子流体の保存式は複雑で,流束ヤコビ行列の固有値を求めることができないため,各種流束を物理的類似性から4種類に分離し,それぞれの流束を2つの異なった手法で風上化するという独創的な計算手法を提案している.磁化された電子流体を解析するテスト計算を行い,双曲型方程式系を用いた解法は各保存則を満たして安定で高速に計算が可能であること,計算結果が理論解と良い一致を示すことが確認された.

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] A hyperbolic-equation system approach for magnetized electron fluids in quasi-neutral plasmas2015

    • 著者名/発表者名
      R. Kawashima, K. Komurasaki, T. Schoenherr
    • 雑誌名

      Journal of Computational Physics

      巻: 284 ページ: 59-69

    • DOI

      doi:10.1016/j.jcp.2014.12.024

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 双曲型方程式系による準中性プラズマ中電子流体計算2015

    • 著者名/発表者名
      川嶋嶺, 小紫公也, 小泉宏之, 荒川義博
    • 学会等名
      日本航空宇宙学会第45期年会講演会
    • 発表場所
      東京大学, 東京都
    • 年月日
      2015-04-10 – 2015-04-11
  • [学会発表] 双曲型方程式系による電子流体計算を用いたホールスラスタの数値解析2015

    • 著者名/発表者名
      川嶋嶺, 上本一樹, 小紫公也, 小泉宏之
    • 学会等名
      第55回航空原動機・宇宙推進講演会
    • 発表場所
      富山国際会議場, 富山県
    • 年月日
      2015-03-09 – 2015-03-10
  • [学会発表] 双曲型方程式系を用いた磁化電子流体の数値解析手法2014

    • 著者名/発表者名
      川嶋嶺, 上本一樹, 小紫公也, 小泉宏之
    • 学会等名
      第28回数値流体力学シンポジウム
    • 発表場所
      タワーホール船堀, 東京都
    • 年月日
      2014-12-09 – 2014-12-11
  • [学会発表] Modeling of Electron Fluids in Hall Thrusters Using a Hyperbolic System2014

    • 著者名/発表者名
      R. Kawashima, T. Schoenherr, K. Komurasaki
    • 学会等名
      AIAA Propulsion and Energy
    • 発表場所
      Cleveland Convention Center, OH, USA
    • 年月日
      2014-07-28 – 2014-07-30

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公開日: 2016-06-01  

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