研究課題/領域番号 |
12J10424
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
樋口 啓太 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特別研究員(DC1)
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キーワード | テレプレゼンス / ヒューマンコンピュータインタラクション |
研究概要 |
2013年度では空中を飛行するクアッドコプターを、人間が自らの身体のように操作することのできるテレプレゼンスシステムにより自由視点映像を撮像するための研究を進めた。人間の身体動作とクアッドコプターの移動を一致させることにより、人間の自然な身体移動で操作することが可能である。本研究をACMSIGCHIの開催するCHI 2013 alt. chiにて発表をした。その後、本研究の操作性に関するユーザテストや、応用例などを報告した論文をICAT 2013にて発表した。本研究の特徴として、人間の移動量に対する、クアッドコプターの移動量のマッピングを変更することにより、最少の身体動作で目的の移動を実現したり、自然な身体運動で自らの身体サイズの異なるクアッドコプターを操作することができるというものがある。しかし、移動量のマッピングを変化したとき、人間の前庭・運動感覚と、視覚的な移動感覚の間に齟齬が生じる。移動感覚の齟齬の許容量を実験により明らかにした。本実験の内容は論文誌として投稿中である。本研究の成果により、人間の入り込めない災害地などにおいて、人間の身体の代替としてクアッドコプターを使用することで、実際に現地に言って調査や救援補助などをすることができる。 また2013年度は、Microsoft Researchへのインターンシップに参加し研究に従事した。研究テーマは大型のタッチスクリーンを利用した遠隔コラボレーションであり、ユーザは遠隔地のパートナーが近くにいるかのように協同作業をすることができる。本研究はImmersive Telepresenceをもちいた遠隔共同作業の研究と位置付けられており、特別研究員としてのテーマと親和性が高く、研究の深めることができた。インターンの期間12週間の間に、システムの実装、ユーザテストの実施、論文の執筆・投稿をし、現在は査読中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度ではこれまで進めてきた飛翔体によるテレプレゼンスシステムの研究を進めただけでなく、対象を広げ研究をすることができた。本年の段階で4件の査読付き会議における登壇発表と、1件のデモ発表をしており、成果も順調である。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度においては研究を進めてきた飛翔体によるテレプレゼンスシステムを屋外環境において利用するための仕組みを開発する。これまでは操作性の検証のためのプロトタイプであり、使用が屋内に限られていた。そのため、位置認識システムや、通信システムを刷新することにより、屋外での利用を可能にすることで、現実環境での運用に近づける。
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