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2013 年度 実績報告書

ポリイン-ヨウ素錯体の振動分光による無極性溶媒中の三ヨウ化物構造の同定

研究課題

研究課題/領域番号 12J10606
研究機関近畿大学

研究代表者

和田 資子  近畿大学, 総合理工学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードポリイン分子 / ポリイン-ヨウ素錯体 / クーロン爆発 / 分子構造同定法
研究概要

ポリインとヨウ素から成る新しい分子錯体についてその幾何構造を解明し、無極性溶媒中においてヨウ素が三ヨウ化物構造をとることの可能性を実験的に明らかにすることを目的として研究を行った。具体的には、本研究において用いるポリイン分子の生成をより効率的にするため、昨年度構築した高速液体クロマトグラフィーシステム専用の小型分光器を新規に購入し、これを取り付けることで本研究専用のポリイン分子大量分取用高速液体クロマトグラフィーシステムを完成した。これにより、既存の分光器のマシンタイムにとらわれることなくポリイン分子の分取を行うことが出来るようになり、本研究の試料作製を滞りなく推進できるようになった。
前年度までの実験研究によって、ポリインーヨウ素錯体の分子構造として、錯体中のヨウ素が三ヨウ化物構造をとる可能性とポリインにヨウ素が付加した構造を取っている可能性が示唆されている。そこで、ポリインーヨウ素錯体中のポリインとヨウ素の相対的な位置関係を明らかにすることを目指し、分子のクーロン爆発によって生成するフラグメントイオンの3次元運動量分布測定実験を、日本原子力研究開発機構との共同研究として行った。本年度は、クーロン爆発を利用したポリインーヨウ素錯体の分子構造の同定に先立ち、分子のクーロン爆発を利用した構造解析が可能であるかを検証するため、より簡単な分子であるジクロロエチレンの幾何異性体を用いた実験を行い、3次元運動量分布測定によってそれぞれの異性体の区別が可能であるか検証した。
以上、ポリイン分子試料の生成分離効率の向上および分子のクーロン爆発を利用した分子構造の同定法の開発は、ポリインーヨウ素錯体の分子構造を解明するための基盤技術として価値の高い研究であるとともに、分光研究のみならず、従来の分子構造同定法では測定できない試料に用いることができる新規な分子構造解析法にも応用可能な機能的側面を持つ。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Vibronic Bands in the HOMO-LUMO Excitation in the Linear Polyyne Molecules2013

    • 著者名/発表者名
      T. Wakabayashi, Y. Wada, N. Iwahara, T. Sato
    • 雑誌名

      Journal of Physics : Conference Series

      巻: 428 ページ: 012004 (13)

    • DOI

      10.1088/1742-6596/428/1/012004

    • 査読あり
  • [学会発表] ポリイン分子C_<10>H_2およびC_<12>H_2のテラヘルツ-遠赤外振動分光2013

    • 著者名/発表者名
      和田 資子, 若林 知成, 保科 宏道
    • 学会等名
      日本分光学会 テラヘルツ分光部会「テラヘルツ分光法の最先端VII」
    • 発表場所
      京都大学(京都市)
    • 年月日
      2013-10-28
  • [学会発表] ヘキサン中におけるポリインとヨウ素の光誘起反応の速度論的考察2013

    • 著者名/発表者名
      和田 資子, 若林 知成
    • 学会等名
      第7回分子科学討論会
    • 発表場所
      京都テルサ(京都府民総合交流プラザ)(京都市)
    • 年月日
      2013-09-27
  • [学会発表] Infrared Spectra of the Polyynes and Polyyne-Iodine Complexes in Solutions2013

    • 著者名/発表者名
      和田 資子, 森澤 勇介, 若林 知成
    • 学会等名
      Seventh International Conference on Advanced Vibrational Spectroscopy
    • 発表場所
      神戸国際会議場(神戸市)
    • 年月日
      2013-08-29
  • [学会発表] Photoinduced Reaction of Polyyne Derivatives and Iodine Molecules in Solution2013

    • 著者名/発表者名
      和田 資子, 若林 知成
    • 学会等名
      第45回フラーレン・ナノチューブ・グラフェン総合シンポジウム
    • 発表場所
      大阪大学大阪大学会館(豊中市)
    • 年月日
      2013-08-05

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公開日: 2015-07-15  

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