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2013 年度 実績報告書

項目反応間の局所依存度が項目およびテストの諸特性の推定に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 12J10650
研究機関東京大学

研究代表者

登藤 直弥  東京大学, 大学院教育学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード項目反応理論 / 局所独立性 / 局所依存性 / テスト情報量
研究概要

日本でよくみられる大問形式の問題においては, 同じ特性値(e.g., 学力)を有する受験者であっても, 大問に含まれる問題文や図表をたまたま正確に読み取れた受験者は関連する項目群すべてに正答する確率が高くなり, 特性値で条件付けた際の各項目への回答が互いに独立ではなくなると考えられる。本年度一つ目の研究においては, このような項目反応間の局所依存性が特性値で条件付けたうえでの独立性(局所独立性)を仮定したテストの特性(テスト情報量)の推定にどのような影響を及ぼすのか, シミュレーション実験を行い, 系統的な検討を行った。その結果, 局所依存性を考慮せずに局所独立性を仮定してテスト情報量の推定を行うと, テスト情報量が過大推定されてしまい, テストの品質が誤って高く見積もられてしまうことが明らかとなった。
一方, 本年度二つ目の研究においては, テストの作成・実施場面への成果の応用可能性を高めるために, これまでに得られた研究成果について再分析を実施した。具体的には, 受験者特性および項目特性の推定に対し局所依存性の与える影響く推定のズレ)が受験者特性や項目特性のちらばり具合(散布度)と比較した場合に意味のある大きさとなっているのか, 検討を行った。その結果, 条件や使用するモデルにより結果に違いが見られるものの, このような要因に拠らない知見として, 局所依存性を考慮せずに受験者特性値や項目特性値の推定を行うと, 特に受験者数が少ない場合には, 推定量のバイアスや平均二乗誤差平方根(推定のズレ)が大きくなるということが明らかとなった。このことからは, 異なるテスト間で特性値の比較を行うという文脈においては, 局所依存性が無視できないほどの影響を有していることが伺える。
これらの研究により, 平成25年度には, テストの作成・評価・運用に資する知見を提供することができたといえる。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 項目反応間の局所依存性が受験者, 項目およびテストの諸特性の推定に与える影響の検討2014

    • 著者名/発表者名
      登藤直弥
    • 雑誌名

      東京大学大学院教育学研究科博士論文

    • 査読あり
  • [学会発表] An effect of local dependence for conventional item statistics2013

    • 著者名/発表者名
      Naoya Todo
    • 学会等名
      The 78^<th> Annual Meeting of the Psychometric Society
    • 発表場所
      Arnhem, the Netherlands
    • 年月日
      20130722-26
  • [備考] Research map

    • URL

      http://researchmap.jp/n_todo/

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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