研究課題/領域番号 |
12J11068
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 健二 九州大学, 医学研究院, 特別研究員(PD)
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キーワード | gap junction / connexin / 時期特異的ノックダウン / 大脳質視覚 / 方位選択性 |
研究概要 |
発達初期において、gap junctionを介した神経活動の同期が起こっており、正常な回路機能形成への関与が示唆されている。しかしながら、このような発達期の同期性が回路形成にどのような影響を与えているかは明らかになっていない。本研究は、connexinの発達期特異的なノックダウンにより、gap junctionが成熟した神経回路の形成にどのような機能を果たしているかを大脳皮質の視覚野に着目して検証する。 平成25年度は、昨年度立ちあげたin vivoノックダウンシステムを用いて、視覚野の発達期特異的なin vivoノックダウンにより、方位選択性の表現にどのような影響が見られるかについての解析を行ってきた。その結果、昨年度connexinの過剰発現にて方位選択性が低下することを確認したサブタイプにおいて、ノックダウンにより方位選択性が増加するという知見を得ることができた。今後、この結果をさらに確証するために、別のターゲットサイトによるノックダウンで同様の効果が見られるのかに関して実験を進める予定である。発達期の大脳皮質には自発的な神経活動が見られ、それが神経回路の発達に重要であることが示されてきている。そこで現在は、なぜ発達期特異的なconnexinのノックダウンにより生体の神経回路に異常が見られるようになったのかを調べる目的で、発達期の自発活動に着目して、詳細なメカニズム解析を集中的に行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度はconnexin分子のin vivoノックダウンにより、大脳皮質の視覚野の神経活動にどのような影響があるかを調べることを目的としていた。現在のところ、解析は順調に進んでおり、connexinのノックダウンにより方位選択性が増加するという知見を得ることができた。今後は、このデータをさらに確証するために、同じ分子を違うターゲット配列でノックダウンする予定にしている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、connexin分子のノックダウンにより、どのようにして神経回路の発達が阻害されたのかについてメカニズムの解析を進める予定にしている。具体的には、発達期の自発活動がノックダウンによりどのように変化しているのか、さらに細胞の形態に対してどのような影響を与えるのかについて検証する予定である。 また、論文化に際して必要となる補足的なデータを取得していき、メインのデータが揃い次第、論文執筆を進めるつもりである。
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