研究概要 |
研究課題に関する暫定的な成果をまとめ,学会において報告を行なった.また,より本質的な成果につなげることを念頭に,研究課題に関連する新たなトピックに関しても予備的な研究を進めた. まず,主体の異質性に関連して,RICEモデルをベースとした非集計的経済においてdirected technical changeモデルに基づく脱炭素化技術の発展と拡散について検討した.結果として,経済規模の大きい地域グループによる単独政策は,グループ外の技術発展に対しても一定の効果があることを示した.成果は,2nd Annual AERE Summer Conference,およびEAERE 19th Annual Conferenceで報告した.とくに,EAEREでの報告は,Tilburg UniversityのSjak Smulders教授から詳細なコメントを得て,共同研究を開始する契機となった.昨年度の後半には,影響の不確実性との関わりで,潜在的なレジームシフトのリスクが存在する下での資源管理のあり方についても取り組み始めた.展望的な結果として,潜在的なレジームシフトのリスクが存在する場合,戦略的な状況においても予防的な資源利用パターンが生じうることを示した.年度末に計測自動制御学会制御部門大会において「資源の共同利用と潜在的レジームシフト」として報告を行なった.成果を論文の形にまとめたものは,"A dynamic common-property resource problem with potential regime shifts"として,京都大学プロジェクトセンターから公開した.
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