研究課題/領域番号 |
12J40050
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
蓮井 千恵子 東京国際大学, 人間社会学部, 特別研究員(RPD)
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キーワード | レジリエンス / 相互作用 / 喪の作業 / 心理査定 / 疫学調査 / 精神科診断 |
研究概要 |
本研究の目的は、心理療法過程における来談者と面接者との相互作用がいかにおき、双方にどのように影響を与えるかということである。そのため、本年度は来談者を募集し、実際に開始前のインタビュー、診断面接、心理検査を行い、比較的研究に耐えうるであろうと考えられる来談者を選び出した。平成25年度4月上旬にホームページ公開を業者に依頼し、4月18日に募集広告を始めた。5月13日から順次初回インタビューを始め、心理検査を行った。67名の応募があったが、大学に来所したのは、22名であった。初回面接を行うのが、私だけであったため、募集者が多くなると対応できないこともあり、この間、募集を一時ストップしたり、再開したりし、日程の調整を行った。継続面接を学生が担当するため、初回面接の反応とその後の検査状況での差異を見るため、心理検査はテスターを募集した。5月から心理検査をテスターが試行した。6月下旬に一人目の継続面接参加者が決定し、7月上旬から継続面接を開始した。来談者の募集は、8月上旬で終了した。8月下旬に最終来談者を決定し、9月上旬に最終の継続面接導入を行った。これ以降は、本来の調査目的である継続面接の中で、来談者がどのように面接者と関係を持っていくかということを面接者の記録を通して、理解していくことになる。9月上旬、心理検査までのデータを業者に委託し、入力を行った。10月下旬には、精神科診断面接、質問紙調査、心理検査のデータ入力を終了した。その後、SPSSを用いて、データ解析を行い、その結果を中間報告として募集ホームページにアップした。継続面接を途中で終了する対象者に対し、1月中旬に終了後面接を試行し、また面接者に対しても終了後面接を試行した。現在、研究は約半数が終了し、半数は継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度、多くの関係者がかかわることから(外部を含む)、調整に時間をとったが、そのかいあって、関係者間において、大きなトラブルもなく、初回面接、心理検査等の手続きを無事終了することができた。また継続面接においても(現在継続中のものもあるが)おおむね、無事終了することができたことから順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、最終年度であり、継続面接終了後、半年後、継続面接の結果を来談者に提示し、意見を求める予定であり、記録の解析を行う予定である。記録の解析にはTEMを用いる予定であったが、心理療法過程の解析には不適切であると考えられたため、現在はinterpretive phenomenological analysisを用いることを想定している。 ただし、得られたデータの内容によって、上記の方法を試してみて、ふさわしくないようであれば、他の解析方法を用いることも考慮している。
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