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2012 年度 実績報告書

子どもの言語報告の特徴について:司法面接における報告相手の相違による影響の検討

研究課題

研究課題/領域番号 12J40051
研究機関北海道大学

研究代表者

田鍋 佳子  北海道大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(RPD)

キーワード司法面接 / 子どもの被暗示性 / 目撃証言 / 親子会話 / 記憶の変容 / 防犯 / 国際情報交換 / ドイツ
研究概要

平成24年度前半は、主に実験データ収集活動と文献検索活動を行った。
まず親子を対象とした会話に関する実験と、大学生を対象とした質問紙調査を実施した。親子会話実験では、幼児ないし児童56名に個別にDVD映像を視聴させ、その内容について各保護者89名が聞き取る過程を録音した。この聞き取りは、DVD視聴直後と1週間後の2回行った。聞き取り後、保護者は質問紙に回答し、子どもから話を聞き取る際の留意点や子育て観、子どもから話を聞き取るのに適している立場の人はどのような人か、といったことを調査した。また、大学生117名に対しても同様の項目で回答させた。保護者と大学生との比較分析結果は、平成25年度の国際学会にて発表予定である。親子会話の録音データは、現在文字に書き起こし作業の最中である。
文献検索活動では"親子会話""目撃証言""子どもの被暗示性""司法面接""ネガティブな出来事の記憶"等のキーワードを基に検索を行い、約200論文を抽出・整理した。これらを基に"親子の会話と司法面接"をテーマとしたレビュー論文を作成中である。
平成24年度後半は、ドイツ・ミュンヘンにて、異文化における子どもおよび保護者の心理や学校機関における防犯活動についての聞き取り調査を実施した。学校法人ミュンヘン日本人国際学校(Japanische Internationale Schule Munchen e.V.)の山本泰教頭へのインタビューでは、学校の設備面における防犯対策や児童に対する防犯指導についての現状、現地の諸機関との連携についての情報を得た。また、カウンセラーであるYuki Kawato Weissoertel氏からは、異文化における児童や保護者の不安の現状、そしてその具体的な対策案、異国におけるカウンセリングの難しさ、国民性の違いによってもたらされる諸問題などについての話を伺った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、実験を実施し約200名分のデータを収集することができた。現在その分析を行っている最中である。当初予定していなかった渡独による調査の機会が生じたことにより、実験データの分析の進行がやや遅れているが、その一方で、想定外の貴重な海外調査データが得られたため、トータルとしてはおおむね順調な進展を遂げていると判断した。

今後の研究の推進方策

海外での滞在期間を延長し、平成25年8月末までドイツ、ミュンヘンで研究活動を行う。その間、国際情報交換や国際学会での研究発表などを実施する予定である。帰国後は、昨年度収集した実験データの分析に専念し、国内学会や研究会での発表および投稿論文作成に着手する予定である。また、次の実験への準備・実施にも取りかかりたいと考えている。

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公開日: 2014-07-16  

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