研究課題/領域番号 |
12J40051
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田鍋 佳子 北海道大学, 大学院文学研究科, 特別研究員(RPD)
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キーワード | 司法面接 / 子どもの被暗示性 / 目撃証言 / 親子会話 / 記憶の変容 / 防犯 / 国際情報交換 / ドイツ |
研究概要 |
平成25年度前半は、平成24年度と引き続き、ドイツ・ミュンヘンに滞在し、異文化における子どもおよび保護者の心理や学校機関における防犯活動についての聞き取り調査を実施した。バイエルン州公認私立・ミュンヘン日本人幼稚園(Munchen Japanese Kindergarden)の園長Yukiko Hinrichsmeyerへのインタビューでは、異文化における幼児教育の諸問題や解決策、そして幼児の発達時期における保護者の関わり方についての建設的なアドバイスなどの情報を得た。また、ドュッセルドルフ応用科学大学(FH-Dusseldorf/ University of Applied Sciences Dusseldorf)のDenis Kohler博士の下では、ドイツにおける大学教育や研究者養成の実情についてや、子どもへの面接方法に関わるドイツでの現状について、情報を得た。また、オランダ・ロッテルダムで開催された学会(Society for Applied Research in Memory and Cognition)大会にも参加し、研究発表を行った。 平成25年度の後半は、日本において、これまでに収集した実験データの整理活動を行った。具体的には、平成24年度に実施した、親子を対象とした会話に関する実験と、大学生を対象とした質問紙調査のデータを整理した。親子会話実験では、幼児ないし児童56名に個別にDVD映像を視聴させ、その内容についてその保護者89名が聞き取りを行い、その聞き取り過程を録音する、という手続きを用いていた。また、聞き取り後、保護者は質問紙に回答した。この質問紙は、大学生117名に対しても同様の項目で回答させた。これらのデータについて、詳細に比較分析を行った。親子会話の録音データは、現在、文字起こし作業が継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査のためのドイツ滞在期間中、ミュンヘンを拠点としながらドュッセルドルフやロッテルダムなど、多方面にわたって活動範囲を広げ、研究発表や情報収集を行うことが出来た。帰国後は、こうした経験を文書にまとめ、ニューズレターなどで各方面に情報発信したり、次年度の学会発表への布石とすることができた。24年度に収集した膨大な会話データを文字に起こす作業も順調に進んでおり、次年度は量的データへと変換する作業へ移行する見通しも立っている。従って、おおむね順調な進展を遂げていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
25年度に海外において収集・分析した情報を元に、国際情報交換や国際学会(ICAP、パリ)での研究発表などを実施する予定である。また、25年度に文字起こし作業を行った親子の会話データについて、コーディング作業に取りかかり、量的データへと変換・分析する作業へと移行する。最終年度の集大成として、投稿論文の執筆も予定している。
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