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2014 年度 実績報告書

幹細胞因子が制御するストレス応答による老化制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 12J40105
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

仁田 英里子  慶應義塾大学, 医学部, 特別研究員(RPD)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード造血幹細胞 / テロメア / クロマチンリモデリング因子 / エピジェネティクス / TERT / BRG1 / BRM / 核小体
研究実績の概要

我々はこれまでの研究結果により、TERTがテロメア長非依存的に造血幹細胞を維持する分子機構を明らかにしてきた。研究を発展させるに当たりさらに異なる機構でTERTが造血幹細胞を維持する可能性を探るため、TERTの結合因子に注目し、核小体因子nucleosteminが造血幹細胞のDNA損傷修復に貢献して造血幹細胞を維持することを明らかにし、論文として発表した。これはTERTがテロメア領域のみならず核小体の恒常性維持を介して造血幹細胞を制御する可能性を示唆しており興味深い。また、上皮幹細胞においてTERTがクロマチンリモデリング因子BRG1と結合しWnt標的遺伝子の発現を維持することが幹細胞制御に重要であることが報告されているため、造血幹細胞におけるクロマチンリモデリング因子BRG1およびその相同分子BRMの重要性を検証した。クロマチンリモデリング因子とは、転写の基本単位ヌクレオソームに結合し能動的にクロマチンを再構築することで、標的遺伝子に対する転写関連タンパク質のアクセスを容易にし、その転写発現を制御する重要な分子である。造血細胞においてBRG1は前駆細胞や分化した細胞の一部にも発現する一方で、BRMは長期再構築能を持つ未分化な造血幹細胞に特異的に発現し分化した細胞では発現が低下していた。このことから我々はBRMノックアウトマウスの造血細胞を解析したところ、競合的造血幹細胞移植においてBRM欠損造血幹細胞は特異的に失われ、BRMが造血幹細胞の長期再構築能維持に必須であることが示された。このときBRM欠損造血幹細胞では細胞周期が活性化しており、BRMは造血幹細胞の静止期維持に貢献することが示唆された。これらの性質は何れも造血幹細胞特異的に見られ、BRMが造血幹細胞の制御に重要な機能を持つことを示唆している。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] がん幹細胞化のメカニズム2015

    • 著者名/発表者名
      仁田英里子、岩間厚志
    • 雑誌名

      日本臨床

      巻: 73 ページ: 733-738

  • [学会発表] クロマチンリモデリング因子BRMは造血幹細胞の静止期を維持しROSスト レスから防御する2014

    • 著者名/発表者名
      仁田英里子
    • 学会等名
      第76回 日本1血液学会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2014-10-31 – 2014-11-02
  • [学会発表] Chromatin remodeling factor BRM protects HSCs from ROS stress via maintaining quiescence.2014

    • 著者名/発表者名
      Eriko Nitta
    • 学会等名
      The 43rd Annual Meeting of International Society of Experimental Hematology
    • 発表場所
      Montreal, Canada
    • 年月日
      2014-08-21 – 2014-08-23

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公開日: 2016-06-01  

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