現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
希ガスマトリックス分光実験で測定された遷移金属化合物の振動分光データが、希ガス原子が遷移金属化合物に結合した錯体に帰属されるべきとの観点から研究を進め、Arマトリックスで測定されたNiCO, PdCO, PtCOの振動数がそれぞれAr-NiCO, Ar-PdCO, Ar-PtCOに帰属されるべきであることを高精度ab initio計算に基づき示してきた。本年度は、特にAr-PtCO, Ar-PdCOについて、実験で報告されている基本振動数の値が倍音の準位に近いことに着目し、倍音を含めて強度の計算を行い、フェルミ共鳴の観点から実験でのアサインが間違っている原因を明らかにしている。さらにHe-CuFについても高精度ab initio計算とダイナミクス計算を組み合わせて理論的にスペクトルをシミュレートし、論文として発表している。
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