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2012 年度 実績報告書

情報通信技術(ICT)の高度化と人々の雇用関係、就業形態および家族生活との関連

研究課題

研究課題/領域番号 12J40235
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

坂本 有芳  お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 特別研究員RPD

キーワードテレワーク / ICTの普及 / 職業生活と家族生活 / 女性の就業選択 / 柔軟な働き方 / アクションリサーチ / 女性の再就職 / イベントヒストリ分析
研究概要

ICTの一層の高度化や普及が、働く場所と時間の拘束性、あるいは定常性、雇用形態など人々の働き方にどのような影響をおよぼしているのか、ICT以外の現代社会の変化の影響を考慮しながら検討した。24年度は3つのサブテーマのうち、1)職業生活と家族生活への影響、2)女性の就業選択、を中心としたデータ収集と実証的検討を実施した。
1)職業生活と家族生活への影響
(1)三大都市圏に居住し子を持つ20-49歳の男女就業者を対象としたオリジナルデータの分析により、ICTツール利用が家族生活と職業生活に及ぼす影響を実証的に検討した。浸透性とWFCとの関連は、ボーダー理論の予測とは反対方向の結果となった。総じてICTツールの利用度の高さは、仕事にも家族にも追われて忙しく余裕のない状態につながる傾向が確認された。
(2)テレワークを実施している特定企業への調査
Work-family Border理論で用いられる主要概念に対応する各項目を調査し、テレワークで用いられるICTツールの特徴、テレワークが家族生活にいかに影響を及ぼすのかを検討するため、テレワークを導入しようとしている企業をフィールドとした各種調査をアクションリサーチとして実施した。実施した調査は、柔軟な働き方の受容についてのアンケート調査、テレワーク制度パイロットテストの評価、テレワーク実施者へのグループインタビュー調査、テレワーク制度導入プロセスの参与観察である。
2)女性の就業選択,
公益財団法人家計経済研究所「消費生活に関するパネル調査」を用いた、イベントヒストリ分析をおこない、ICT利用が柔軟な就業形態選択につながるのか、ひいては女性の離職を抑制し再就職を促す方向に作用するのかを再検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ICTが職業生活と家族生活に及ぼす影響、女性の就業選択への影響などへの実証的検討が進展したこと、さらにテレワーク実施企業に対する調査協力を得ることができ、質的調査やアクションリサーチを実施することができた。貴重な調査を実施することができたことは、研究の進展に大きく寄与すると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後、質的データの分析を実施すると同時に、「ICT高度化と就業形態選択」をテーマとした二次データの分析も手がける。研究計画の変更などは、現時点では特になし。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ICTツール利用と仕事/家族の境界-ワーク・ファミリー・ボーダー理論に基づく実証的検討2012

    • 著者名/発表者名
      坂本有芳・W.A.スピンクス
    • 雑誌名

      日本テレワーク学会誌

      巻: Vol.10 No.1 ページ: 24-35

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 出産離職のイベントヒストリ分析-均等施策とワーク・ライフ・バランス施策への示唆2012

    • 著者名/発表者名
      坂本有芳
    • 雑誌名

      社會科學研究』東京大学社会科学研究所

      巻: 第64巻第1号 ページ: 90-113

  • [学会発表] ワーク・ファミリー・ボーダー理論の有効-就業場所と時間の拘束性と家族生活との関係2012

    • 著者名/発表者名
      坂本有芳
    • 学会等名
      日本家族社会学会第22回大会
    • 発表場所
      お茶の水女子大学
    • 年月日
      2012-09-16

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公開日: 2014-07-16  

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