研究実績の概要 |
本年度は以下の3点の解析を行い、①を論文にまとめた。②③は論文作成中である。 ①若齢、老齢のSAMP10マウスと同月齢のB6マウスの間脳における10種類のサイトカインをLuminex MultiPlexアッセイにより一斉定量した。その結果、老齢SAMP10マウスの間脳にはCCL11, CXCL1, CXCL10, G-CSF, IL-6が同月齢のB6マウスに比べて有意に高濃度であり、免疫染色の結果、脈絡叢付着領域のアストロサイト、脳室周囲のアストロサイト及びタニサイトが強発現することがわかった。 ②LPS(3mg/kg)を腹腔内投与した1, 4, 24時間後に脾臓と海馬を回収し、Luminex MultiPlexアッセイにより15種類のサイトカインを一斉定量した。その結果、LPS投与後に海馬では10種類のサイトカインが増加した。免疫染色の結果、LPS投与4時間後に増加するサイトカインは、脈絡叢及び髄膜の細胞、血管内皮細胞が発現し、その受容体は脳表や血管周囲のアストロサイトの終足に発現した。LPS投与24時間後に増加するサイトカインはアストロサイトが発現した。 ③7日, 4週齢, 2, 8, 13, 20カ月齢のSAMP10マウス、コントロールマウス(SAMR1マウス、B6マウス)を用いて、海馬における10種類のサイトカイン濃度をLuminex MultiPlexアッセイにて定量した。その結果、加齢により増加するのはCXCL10のみで、B6マウスやSAMR1マウスに比べてSAMP10マウスでは早期に増加した。
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