研究課題
特別推進研究
1.Rhoエフェクターの一つ、mDia1、について研究を行い、これがin vitroでアクチン重合活性を示し、細胞内で真直ぐで長いアクチン線維を産生すること、また、RhoからmDia1を介する経路がSrc依存性のCasのリン酸化を亢進し、DOCK180との複合体形成を経てRacを活性化すること、このRho-mDial-Src-Rac経路は、Rho-ROCK経路による細胞収縮に拮抗し、2つの経路のバランスで、細胞形態が決定されること、さらに、Rho-mDia1経路は、神経突起形成に促進的に働き、ROCKの神経突起退縮作用と拮抗すること、さらに、mDia1は細胞移動の際の前後方向の極性と接着斑の回転に働くこと、を見いだした。2.細胞分裂でのRhoGTPasesの調節と機能を研究し、これまで知られていたtelophaseでのRhoの活性化に加え、Cdc42がmetaphaseで活性化されること、両者の時期特異的な活性化は、同一のGEF, Ect2と同一のGAP、MgcRacGAP、によって制御されていることを明らかにした。ついで、metaphaseにおけるCdc42の役割を解析し、これが、キネトコアに存在するmDiaのアイソフォームの一つ、mDia3に働き、紡錘体微小管のキネトコアへの結合を安定化し、染色体の配列と分離を調節していること、を明らかにした。3.RhoエフェクターであるROCKの2つのアイソフォーム、ROCK-1とROCK-II、の遺伝子の各々を欠損させたマウスを作成し、表現型を解析した。これにより、ROCS-IIが胎盤循環の恒常性維持に重要な働きをなすこと、ROCK-1とROCK-IIが、眼瞼や臍部で、細胞間にまたがったアクトミオシン構造を形成し、その張力によって組織の閉鎖に働いていること、を明らかにした。
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