研究課題/領域番号 |
13011205
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
関本 裕太郎 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (70262152)
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研究分担者 |
岡 朋治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10291056)
山本 智 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80182624)
立松 健一 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (40202171)
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キーワード | サブミリ波受信機 / 小型望遠鏡 / 超伝導技術 / サブミリ波天文学 / ALMA / アタカマ砂漠 / マゼラン星雲 / 中性炭素原子 |
研究概要 |
南米チリのアタカマ砂漠パンパラボラ(ALMA建設予定地:標高4800m)に小口径(18cm)サブミリ波望遠鏡を持ち込み、マゼラン星雲の中性炭素原子線(CI:892GHz&492GHz)による広域観測をおこなうための受信機の開発をおこなった。計画研究で予定されている一酸化炭素分子(CO J=1-0,J=2-1)の広域観測からは、我が銀河系内に較べて全質量に対するCOの存在比が少ないことが明らかになりつつある。その解釈としては、マゼラン雲の重元素比が少ないことが考えられている。特定研究「マゼラン星雲」の研究をより深く進めるために、CIの存在量を明らかにすることを目的としている。口径18cmサブミリ波望遠鏡に搭載する低消費電力(1kW)809GHz超伝導受信機の開発をおこなった。口径18cmは809GHzにおいてHPBW=8分角に相当し、特に計画研究の60cm望遠鏡のCO(J=2-1:230GHz)におけるHPBW=9分角と同様のビームサイズである。8分角はマゼラン星雲(D=55kpc)において125pcと巨大分子雲のサイズに相当する。809GHzでの受信機雑音は、1000Kであり、観測には十分な性能を持つ。2001年2月及び2001年9月に、チリに望遠鏡とともに持ち運び試験観測をおこなった。南米チリの標高4800mサイトにおいて、小型低消費電力の冷凍機をもちいて、SISミキサーを搭載した状態で、4Kステージの温度3Kが達成された。これにより、チリ4800mのサイトで受信機及び望遠鏡システムが十分に機能することが検証された。本研究は、マゼラン星雲の研究ばかりだけでなく、日米欧で進めている次期大型計画のALMA(Atacama Large Millimeter Submillimeter Array)の受信機に基本設計に重要な示唆を与えている。
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