7月までは、手紙、ファックスを通して現地協力者と調査についての打ち合わせを行う。8月に山口がインドネシア共和国南スラウェシ州の州都マカッサルに着く。現地協力者と昨年の調査、今年度の調査について協議を行う。また、山口は現地研究機関より研究資料を収集したり、現地調査目的地の情報を収集する。 9月に山口が、昨年の調査対象言語のトポイヨ語の追加調査、今年度の調査対象言語である南スラウェシ語群のタンコウ語、カイリ・パモナ語群のサルドゥ語、バラス語の予備調査のために南スラウェシ州最北部のマムジュ県に出発する。山口、および現地協力者は、マムジュ県中部でトポイヨ語の追加調査資料、タンコウ語の予備調査資料を収集した。さらに、マムジュ県北部においてサルドゥ語、バラス語の予備調査資料を収集した。これらの予備調査に基づき、地元チームが調査計画の検討を始める。 山口帰国後、M.L.Mandaハサヌディン大学大学院博士課程言語学専攻主任の調査チームが今回山口が予備調査を行った上記3言語と、昨年予備調査が終わっている南スラウェシ語群のパナスアン語、カイリ・パモナ語群の(マムジュ県の)バダ語、ベンガウル語の現地調査に行い、現在資料整理および輪文執筆中。 本年度、山口真佐夫(研究代表者)は、トポイヨ語に対する比較言語学に基づく論文が2本、雑誌に掲載された。また、トポイヨ語、サルドゥ語、バラス語に関して口頭発表を1回行った。中嶋鴻毅(研究分担者)はトポイヨ語の音声データベースに関して17 th International Congress on Acousticsおよび日本音響学会で研究発表を行った。
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