1、研究代表者の高橋と研究協力者の菊千代との共同で、鹿児島県大島郡与論町東区の方言をほぼ網羅した『琉球語与論方言辞典』(15000単語)を書き上げた。 方言の見出しにはカタカナと音韻記号を併記し、アクセント記号を付した。全単語に品詞を記し、動詞については、その否定形と接続形(「連用形+て」に対応)を記した。意味の記述には、与論の生活感情が分かるように配慮した。そして、ほとんどの単語に文例を記した。また、「共通語引き索引」も作成した。そして、コンピュータに入力し、データベース化した。『琉球語与論方言辞典』は、平成15年度の研究成果公開促進費を申請中であり、交付されれば、出版される。 2、『琉球語与論方言辞典』に記載されている全ての単語および例文を、菊千代氏に日常会話に近い状態で読んでもらい、録音した。研究協力者の仲間恵子が、録音機器を与論に持って行き、デジタルで録音し、永く保存できるようにした。 ゆくゆくは、コンピュータの音声データベースにして公開し、だれでも、すぐ希望の単語と例文が聞けるようにする予定であるが、今回は録音した段階で終了した。 3、与論方言語彙の中で特徴的な「漁業語彙」と「海洋動物」について精査し、論述した。
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