研究計画に基づいて、平成16年度に以下の研究を実施した。 1.シナ大陸の古印刷資料の原本調査を、大英図書館、フランス国立図書館、中国国家図書館、天津図書館、京都国立博物館、高山寺、東洋文庫等に於て実施した。 2.朝鮮半島の古印刷資料の原本調査を東洋文庫、京都国立博物館等に於て実施した。 3.日本の百万塔陀羅尼及び古印刷資料の原本調査を、大英図書館、東洋文庫、京都国立博物館、個人宅等に於て実施した。 4.印刷資料及び関連する典籍をテーマとする「日本学・敦煌学・漢文訓読の新展開」国際学術会議(於北海道大学)の実行委員長として、国際会議を推進した。 5.研究成果を国際会議及び国内学会に於て発表した。また、平成15年度〜平成16年度科学研究費補助金特定領域研究(A)(2)研究成果報告書を作成した。 以上の如く、シナ大陸、朝鮮半島及び日本の古印刷資料の原本調査を実施して、東アジアに於ける正式印刷本の確認は9世紀後期まで下ること、日本の百万塔陀羅尼は「刷る」行程の無い集成印本であることを明らかにして、国際会議等の場に於て積極的に発表した。
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