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2003 年度 実績報告書

戦国から秦・漢への時代転換と写本の変化

研究課題

研究課題/領域番号 13021207
研究機関東北大学

研究代表者

浅野 裕一  東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (20127476)

キーワード郭店楚簡 / 上博楚簡 / 五行 / 容成氏
研究概要

「『五行篇』の成立事情-郭店写本と馬王堆写本の比較」(『出土資料研究』第7号)において、郭店写本『五行』と馬王堆写本『五行』を比較し、漢代に書写された馬王堆写本か、経と説を併載する形式なのに対して、戦国中期の書写である郭店写本が経のみで単行するとの差異が、『五行』を成書した学派が戦国前期から戦国末まで長期にわたって活動を継続した証左であることを指摘した。また章の配列の差異から、竹簡本と帛書本が、それぞれに整合化が図られた別系統の写本であり、これも『五行』を成書した学派が長期にわたって活動を継続したことを示す現象であることを指摘した。さらに郭店写本の発見により、『五行』の成立時期を戦国後期から漢初の間で考えてきた諸説がすべて誤りで、成立時期が戦国前期まで遡ることを指摘した。
上博楚簡『容成氏』の内容を検討し、夏王朝を倒して殷王朝を創始した湯王に対する評かが極めて低いこと、周の武王には最初から殷王朝を攻め滅ぼす意志はなく、賢者への禅譲を強要する意図だったとされていることなどを指摘した。その上で、こうした『容成氏』独自の歴史観が、放伐を否定し、禅譲のみを唯一正当な王朝交替の様式だとする立場に由来することを指摘した。12月に台湾大学で開催された国際学会で、こうした『容成氏』の特色について発表し、「上博楚簡『容成氏』中的襌讓與放伐」と題する論文を提出した。また中央研究院での招待講演において、新出土資料の研究方法について講演し、疑古派の研究姿勢にどのような問題点が存在していたのかを指摘し、今後どのように研究を進めるべきかについて見解を述べた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 浅野裕一: "『五行篇』の成立事情-郭店写本と馬王堆写本の比較-"中国出土資料研究. 第7号. 1-24 (2003)

  • [文献書誌] 浅野裕一: "上博楚簡《容成氏》中的禪譲與放伐"日本漢学的中國哲學研究與郭店・上海竹簡資料. 1-14 (2003)

  • [文献書誌] 浅野裕一: "孔子は『易』を学んだか?"図書(岩波書店). 第656号. 26-31 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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