研究概要 |
2001年7月と2002年8月と2004年8月の三回、上海博物館を訪問し、上博楚簡の整理と解読に当たった馬承源先生と面談し、上博楚簡に関する情報提供を受けた。2004年4月には、台湾から学術交流の招待を受け、台湾大学東亜文明研究中心が開催した「上博簡與出土文献研究方法学術研討会」において、「上博楚簡『魯邦大旱』的「名」」と題する研究発表を行った。また8月にはやはり学術交流の招待を受け、北京・清華大学で行われた「多元視野中的中国歴史,第二届中国史学国際会議」において、「上博楚簡『恆先』的道家特色」と題する研究発表を行った。 2004年12月には、台湾の中央行政院の後援による「国際中国哲学研究研習営」に国外から招待された五人の学者の一人として参加し、「孔子哲学在中国歴代王朝的地位」と題する講演と、「漢字的特質與古代中国哲学的発展」と題する講演を行った。 2005年3月には台湾大学哲学系が主催した「新出土文献與先秦思想重構 国際学術研討会」において、「上博楚簡『相邦之道』的整体結構」と題する研究発表を行った。 『諸子百家<再発見>』(岩波書店,2004.8. 湯浅邦弘氏と共編)では、戦国期の写本の発見が、思想史研究に与える影響を指摘した。また『戦国楚簡研究』(台湾・萬巻樓,2004.12.)では、郭店楚簡と上博楚簡の写本が持つ思想史的意義を論じた。これらの研究により、戦国時代に山東地方と長江流域の楚を結ぶ書籍の流通ルートが存在したことを明らかにした。
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