本研究の目的は、1980年以降、現在に至るまで、旧ソ連およびロシアで出版されたモンゴル学関係の書誌情報を収集整理し、公刊することである。特に研究分担者が専門としている言語学と歴史学の分野における研究を、雑誌論文も含めて網羅的に調査、収集することを目指して調査を行った。特にソ連邦崩壊以後の情報を、地方都市の出版物も含めて調査することに努め、ブリヤート、カルムイクの研究者と連携を取り、情報の提供を受けるとともに同地を訪問して実物を確かめて目録を作る作業を進めた。 今年度の研究の過程において、2002年8月にモンゴル国で開催された第8回モンゴル国際学者会議を記念してウランバートルで『モンゴル研究国際ビブリオグラフィー』と題する4巻本の書目が出版されたことは本研究と大きな関わりをもつこととなった。その第4巻「ロシア編」は、まさに本研究が進めていたことと軌を一にする著作であり、本研究に欠けている情報を補うことができた。ただし、これがすでに著書として出版されたことにより、本研究も出版の際には「日本語訳」や個々の解題を付するといった付加価値を付けることを検討することとした。当初からの目的であるデータを電子化して公開することに関しては、これまで収集したデータの入力を完了した。
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