4年間の研究を通して、以下の成果を確認しうる。 1.通書の資料収集についてはほぼ7割方達成し、通書(『玉匣記』も含む)の歴史的展開の大要を把握し得た。 2.特に沖縄の家文書中の通書、術数書については、資料収集・研究の両面においてほぼ所期の目標をクリアできた。 3.通書・術数書の一種の総合書と言うべき『万宝全書』研究の足がかりが得られ、次なる研究ステップへと踏み出すことができた。 4.本研究の最終年度に、『風水・暦・陰陽師-中国文化の辺縁としての沖縄-』と題する一書をまとめることができた(榕樹書林、2005.3.10刊)。本書は、1998年から2004年に至る間に、沖縄の術数研究を中心に書き貯めてきた論文集で、前回の科研(「前近代久米島文化の復元」)と今回の科研との集大成になっている。*印を付した章は、直接今回の科研によって得られた成果であるが、しかし、一書にまとめるに当たって、今回の科研を通して得られた新たな知見に基づいて全編を大幅に改稿した。ここには、近十数年にわたる文献調査、研究会等で得られた収穫がすべて織り込まれている。全書の構成は以下の通りである。 第I編 沖縄の風水 第II編 沖縄の暦書と通書と日用百科事典 第III編 沖縄の易者・サンジンソー
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