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2002 年度 実績報告書

明末清初の福建を中心とする坊刻本の出版状況の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13021240
研究機関大東文化大学

研究代表者

小川 陽一  大東文化大学, 文学部, 教授 (30007356)

研究分担者 山口 謡司  大東文化大学, 文学部, 助教授 (00286915)
キーワード明清出版 / 福建出版 / 坊刻本 / 書価 / 書店 / 贋作 / 版権
研究概要

◇小川陽一:前年度來収集してきた明清期の福建を中心とする坊刻本の出版をめぐる情報-編著者の情況、編著者と出版者との関係、出版者同士の関係、原稿料、出版の技術的情況、その経費、本の販売価格、販売機構など-に基づいて、突破口の見いだせた部分、とくに出版経費、本の価格、書店の経営事情などの分野で、新たな局面を開くことができた。書店の諸相については、「試論明清の書店-小説・戯曲資料から-」として、特定領域研究代表に提出した。以下はその概要である。書店開業に必要な資金、開業までの手続き、同業者や顧客への対応、書籍の仕入れ方法、書籍と並んで取り扱う商品、店の内外の景観・・・などあるていど明らかにできた。資料には、小説・戯曲など都市生活を描いた作品が有用で、小説・戯曲の挿絵を含む絵画資料も併用して、より具体的な様子も知ることができた。李緑園の『岐路燈』には河南省開封で開業する書店の様子が、孔尚任の『桃花扇』には南京三山街の蔡益所の書店の様子が記されている。徐揚『姑蘇繁華図』には蘇州の書店の図が描かれていて、店の景観を見ることができる。李漁の『意中縁』には書画骨董店の仕入れと販売の様子が記され、挿絵も付いていて、店頭に書画と同時に書籍も並べていることが見て取れる。興味深いことは、書画の大半が贋作で、その取引をめぐる裏社会の一面をかいま見せてくれることである。李日華の『味水軒日記』を併せ読むと、贋作の横行と書画・書籍への版権意識の希薄さが明らかになり、贋作を許容する文化的体質のあったことが知られた。
◇山口謡司:『中国版刻図録』北京図書館編(朋友書店1989)の宋元版の刻工名索引を利用して、宋元時代の出版地及び時代をより限定する作業をし、コンピューター上での検索を容易にした。さらに『中国版刻図録』の原刻・補刻の区別が明確でなかったものについて、南京図書館の宋元版を再調査をした。北京図書館・首都図書館でも刻工名調査をした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 山口 謡司: "<集部>機能についての一考察"(大東文化大学)漢学会誌. 第42号. 241-268 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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