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2001 年度 実績報告書

『四書集註』の周辺

研究課題

研究課題/領域番号 13021241
研究種目

特定領域研究(A)

研究機関東洋大学

研究代表者

吉田 公平  東洋大学, 文学部, 教授 (70036979)

研究分担者 三浦 秀一  東北大学, 文学部, 教授 (80190586)
キーワード四書集註 / 朱子 / 東アジア漢字圏 / 和刻 / 印刷文化
研究概要

12世紀の儒学者であった朱子の主著である『四書集注』は、近世期以後の東アジア文化圏に於いては、共通の教典として最も広く読まれたものである。そのためにその『四書集注』が印刷された歴史的経緯及びその文化史的意義を明らかにする為には、多層多元的な視点に立脚した地道な作業が要請される。漢籍を所蔵する機関には必ずといってよいほどに『四書集注』を所蔵しているわけだが、初年度の今年は、日本の周辺地域に該当する対馬・沖縄における『四書集注』の刊行・所蔵の状況を調査した。その結果、琉球王府時代に確かに『四書集注』を刊行されていたこと、対馬に於いては刊行されないままに主に和刻本が利用されていたことが明らかになった。日本における印刷・利用状況に地域差が歴然としていることを確認できたことは大きな収穫であった。『四書集注』の内部構造の一端を今年度は『論語集注』を取り上げて解析することができた。印刷文化の研究そのものではないかに見えるが、その普及度受容度が格別に高かった事の最大の理由は内容そのものにあることを考えると、この内容面からの研究も不可欠の要素である。近世紀東アジアの読書人達が社会の構成員としての責任を自覚しながらそれぞれの人生を「成熟物語」として物語る教本として『四書集注』の中の『論語集注』が読まれたことを確認できた。読者論を内包した印刷文化論を明らかにする為には大事な作業である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 吉田公平: "王陽明の『朱子晩年定論』について"東洋大学中国哲学文学科紀要. 9. 33-50 (2001)

  • [文献書誌] 吉田公平: "柴田甚五郎旧蔵日本陽明学関係書について"井上円了センター年報. 10. 133-159 (2001)

  • [文献書誌] 吉田公平: "朱子の『四書章句集註』のテキスト問題について"東洋大学中国学会会報. 8. 1-13 (2001)

  • [文献書誌] 吉田公平: "『論語集註』の中の孔子-『四書集註』論(その二)"東洋大学中国学会会報. 8. 14-24 (2001)

  • [文献書誌] 吉田公平: "李彭山の『説理会編』について"大久保隆郎教授退官記念編集・漢意とは何か. 621-634 (2001)

  • [文献書誌] 三浦秀一: "呉澄『道徳真経註』の思想"集刊東洋学. 86. 42-61 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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