本研究は、(1)「満洲国」時代のモンゴル研究を体系づけるために必要となる研究基盤の形成に資するため「出版文化」の観点から当該時期の「満蒙」の学を書誌学的に研究すること、(2)そうした研究のケーススタディーとしてモンゴル学の基本史料である『元朝秘史』の研究状況を書誌学的に整理すること、という2方向から研究をすすめている。 斯様な視点から平成13年度には研究成果中間報告書として、『「満洲国」時代を中心とする「満蒙」関係刊行物の研究』(総103頁)を発表、戦中存在した善隣協会の機関誌『善隣協会調査月報』(のち『蒙古』と改題)所載の時局短信欄記事の総目次を作製したほか、平成14年度には本概要に記入したように、福島安正のシベリア単騎旅行にかかわる出版文化上の成果についての研究を行い、標記報告書を作ったほか、桃山学院大学で一般に公開する展示会を開催した。
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