• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

非イオン性高分子柔軟材料の電場による高速大変形過程の分子シンクロナイゼーション

研究課題

研究課題/領域番号 13022228
研究種目

特定領域研究(A)

研究機関信州大学

研究代表者

平井 利博  信州大学, 繊維学部, 教授 (30126700)

研究分担者 渡辺 真志  信州大学, 繊維学部, 助手 (90301209)
キーワード人工筋肉 / ゲル / エラストマー / 電歪現象 / 高速大変形材料 / 可塑化 / 走電性 / 電場駆動材料
研究概要

非イオン性の高分子材料は電場で大きな歪みを誘起するとは期待されていなかったが、本研究ではそれを克服できることを示している。それも、誘電性の溶媒で膨潤したゲルから溶媒を含まない誘電性のエラストマーまでの広い材料にわたってである。
要点は注入電荷の分布の制御であるが、それに伴うポリマーや分散媒としての溶媒や可塑剤の特性により、多様な変形挙動を得ることができる。本年度は、ゲルの場合については、ゲル内で分散媒の溶媒牽引による移動を、界面を経由して他の相に伝播できることを示し、相間のエネルギー的なシクロないゼーションを示唆した。これにより、新規なデバイスなどへの応用の可能性を示した。また、可塑化したポリマーでは「走電性」を示す物理架橋タイプの柔軟材料を用いて、その特性を各種可塑剤について検討した。その結果、混和物の分散構造が重要な影響を持ち、そうした構造に応じた電場応答と変形挙動を示していることを明らかにした。これらの現象が生体の「走化性」に形態変化上の類似性を持つことから「走電性」(Electrotactic Deformation)と呼ぶことにした。この現象は、いくつかの条件が揃った場合に、一般に起こりえるものである。分散媒のあからさまな材料内での溶媒牽引のような移動を伴わない場合で、電荷のホッピング移動と界面での放電速度が遅い場合に生じることが示された。すなわち、電荷注入が電極上でのタッキングを強め、それによるクリープ変形が生じることが必要である。こうした現象の制御法も明らかにし、各種材料への適用が可能であることを示した。
エラストマーについても、同様の原理が適用でき、高速大変形を効果的に誘起できるようになった。材料内の電荷分布の検証も進行中であり、現象的に解釈してきたことがらのいくつかが実証的に示せる段階に近づいている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Md.Z.Uddin, M.Yamaguchi, M.Watanabe, H.Shirai, T.Hirai^*: "Electrically induced creeping and bending deformation of plasiticized poly(vinyl chloride)"Chemistry Letters. 360-361 (2001)

  • [文献書誌] Md.Z.Uddin, M.Watanabe, H.Shirai, T.Hirai: "Creeping and novel type huge bending motion of plasticized PVC"Journal of Robotics and Mechatronics. (in press). (2002)

  • [文献書誌] M.Watanabe, H.Shirai, T.Hirai^*: "Ionic polarization in bending-electrostrictive response of polyurethane films"Journal of Applied Physics. 90・12. 6316-6320 (2001)

  • [文献書誌] T.Hirai^*, J.Zheng, M.Watanabe, H.Shirai, Edited by X.Tao: "Electrically active polymer materials-application of non-ionic polymer gel and elastomers for artificial muscles, Chapter 2, in Smart fibres, fabrics and clothing"Woodhead. 33 (2001)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi