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2001 年度 実績報告書

分子シンクロシステムの構築のための機能性共役ポリマーの創製と特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13022237
研究種目

特定領域研究(A)

研究機関京都大学

研究代表者

増田 俊夫  京都大学, 工学研究科, 教授 (60026276)

研究分担者 野村 亮二  京都大学, 工学研究科, 助手 (40242317)
キーワードポリアセチレン / 遷移金属触媒 / アゾベンゼン / UV照射 / シス・トランス光異性化
研究概要

アゾベンゼンは光照射、加熱により可逆的なシス-トランスの異性化を起こすことから、刺激応答性分子として広く研究されており、アゾベンゼン含有ポリマーはホログラフィー、情報伝達材料などへの応用が期待されている。一方、ポリアセチレンは主鎖共役に基づく導電性、非線形光学特性、気体透過快、ヘリックス転移など性質を示す興味深いポリマーである。本研究では、アゾベンゼンを側鎖に含有する新規ポリアセチレンの合成とその光異性化重合挙動を検討した。
(4-ブトキシフェニル)(4-エチニルフェニル)ジアゼン(BuOEAB)を4-ヨードアニリンとフェノールとのジアゾカップリング、フェノール性水酸基のブチルエーテル化、パラジウム触媒を用いたトリメチルシリルアセチレンとのカップリング反応、フッ化テトラブチルアンモニウム触媒を用いた脱シリル化により合成した。[(ノルボルナジエン)RhCl]_2を主触媒、トリエチルアミン、Ph_2C=C(Ph)Li、トリフェニルホスフィンを助触媒に用いてテトラヒドロフランまたはトルエン中でBuOEABを重合させたところ、数平均分子量2,800〜104,000の対応するポリマー[poly(BuOEAB)]が得られた。ポリマーはテトラヒドロフラン、トルエン、クロロホルム、N, N-ジメチルホルムアミドに可溶であり、ヘキサン、酢酸エチル、アセトン、メタノールに不溶であった。Poly(BuOEAB)の熱重量分析を行った結果、ポリマー側鎖のブチルエーテル基の開裂に対応する熱重量曲線の平坦領域が観測された。Poly(BuOEAB)はクロロホルム中、364nmにε=24,000M^<-1>・cm^<-1>の極大吸収を示した。Poly(BuOEAB)にトルエン中、波長300-400nmのUV光を照射したところ、側鎖のトランスアゾベンゼン部位が1時間で53%シスアゾベンゼンに異性化することが確認された。さらに、poly(BuOEAB)にトルエン中、波長420nm以上の可視光を照射したところ、シスアゾベンゼン部位はトランスアゾベンゼンに異性化することが判った。同様な光異性化はpoly(BuOEAB)のキャストフィルムでも観測され、木研究で得られたアゾベンゼン含有ポリマーは光応答性分子シンクロ材料として作用することが碓認された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] A.Izumi, R.Nomura, T.Masuda: "Design and Synthesis of Stimuli-Responsive Conjugated Polymers Having Azobenzene Units in the Main Chain"Macromolecules. 34・13. 4342-4347 (2001)

  • [文献書誌] R.Nomura.Y.So, A.Izumi, Y.Nishihara, K.Yoshino, T.Masuda: "Multicolor Fluorescent π-Conjugated Oligomer Having Salicylidenaniline Moieties"Chem. Lett.. 916-917 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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