研究概要 |
発光層としてAlq_3にルブレンをドープした層を発光層として用いたEL素子を作製した。ルブレンをAlq_3に9vol%の濃度にドープした素子は、550nm付近にピーク波長を有する黄色発光を示す。従ってこの波長を用いる事により、ポリマー導波路への光源として用いた場合、比較的低損失の伝送が期待できる。9Vの印加電圧で50,000cd/m^2の高輝度に達した。これは、ホスト材料として用いたAlq_3にルブレンをドープすることによりドミノ的エネルギートランスファーが生じ、電極から注入された電子-正孔が発光層で効率よく再結合し、発光するためと考察する。 ガラス上に形成したITO基板を用いて作製したEL素子とポリイミド上のITO基板を用いて作製した有機EL素子の発光特性は基本的には発光スペクトル、発光強度特性等に違いは見られなかった。高速応答性に関しては、Alq_3を発光層とした素子では50MHz程度の応答に留まるが、蛍光寿命の短いルブレンをドープした素子では、電極面積を小さくし0.02mm^2程度の素子面積において100MHz以上のパルス光が発生することが出来た。現時点では駆動回路などの制限で100MHzの応答速度まで確認できていないが、さらに高速の光信号の発生が期待され、光集積回路光源への適用が可能である事が明らかになった。
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