研究課題/領域番号 |
13022242
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
尾崎 雅則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50204186)
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研究分担者 |
藤井 彰彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80304020)
吉野 勝美 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70029205)
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キーワード | 液晶 / スメクチック液晶 / 螺旋構造 / フォトニックバンドギャップ / ストップバンド / コレステリック液晶 / レーザー発振 |
研究概要 |
今年度は、液晶の自己組織的周期構造性等を積極的に利用して一次元ナノ周期構造における光の伝搬、発光現象を、外部刺激により動的に制御することを目指し、新しい応用展開の可能性を検討した。螺旋ピッチが数百nmのカイラルスメクチック液晶にレーザー色素を添加し、スメクチック層が基板に平行なホメオトロピック配向セルを作製し光励起によるレーザー発振を観測した。また、螺旋軸に垂直に電界を印加することにより螺旋周期を任意に制御し、レーザー発振波長を数十nmにわたってわずかな電界により制御することに成功した。さらに、励起効率を高めるとともに光の閉じ込め効果を増す目的で、螺旋軸が基板に平行なプラナーセル構成のカイラルスメクチック液晶においても、電界で制御可能なレーザー発振を観測した。 一方、光重合性コレステリック液晶を螺旋軸が基板に垂直に配向させたのち光重合することにより、高分子コレステリック液晶自己保持膜を作製し、このフィルムからの光励起によるレーザー発振を観測した。この高分子コレステリック液晶膜は曲げ変形に対しても螺旋構造を安定に保ち、レーザー発振することも確認した。また、曲げたフィルムを線状あるいは面状に励起することのより集光性レーザー発振を実現した。さらに、従来のコレステリック液晶の螺旋周期が温度に対して大きな依存性を有するのに対して、ここで作製した高分子コレステリック液晶の螺旋周期はほとんど温度依存性を持たず、きわめて安定なレーザー発振波長をうることができることを見出した。
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