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2002 年度 実績報告書

分子組織性ハイドロゲルの創成に基づく蛋白質機能の時空間制御

研究課題

研究課題/領域番号 13022251
研究機関九州大学

研究代表者

君塚 信夫  九州大学, 工学研究院, 教授 (90186304)

研究分担者 黒岩 敬太  九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70336006)
松浦 和則  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60283389)
キーワード二分子膜 / ハイドロゲル / 自己集合 / 水素結合 / 疎水性イオン対 / 励起エネルギー移動 / アクチュエーター / バイオセンサー
研究概要

本研究では、分子組織性ハイドロゲルの分子設計の確立および、分子組織性ハイドロゲル中における蛋白質の機能制御を目的とした。その結果、短いアルキル鎖を含む疎水部構造および、複数のアミド結合を含むグルタミン酸骨格を有するアンモニウム脂質が芳香族スルホン酸イオンや、過塩素酸イオンなどの疎水性アニオンと疎水性イオン対を形成することで、分子組織性ハイドロゲルを形成することを明らかとした。例えば、カウンターアニオンとして2-ナフタレンスルホン酸イオンを用いたハイドロゲルにおいては、光捕集機能を有するハイドロゲルとなる。このハイドロゲルにおいては、ナフタレンが二分子膜ゲルファイバー中に高密度に集積化されており、光励起エネルギーはこのファイバー上を効率的に移動する。アクセプターとして1mol%の9,10-ジメトキシ-2-アントラセンスルホン酸イオンの添加により、ナフタレン由来の蛍光は大きく消光し、かわりにアントラセン由来の増感蛍光が大きく現れた。エネルギー移動効率は低濃度の水溶液状態よりも、ハイドロゲル状態において著しかった。これは、2-ナフタレンスルホン酸の二分子膜ファイバーへの結合率と相関しており、ハイドロゲル状態においての高い結合率が、高効率のエネルギー移動をもたらした。また、光捕集性のハイドロゲルのみならず、フェロセンカルボン酸などをカウンターアニオンに用いると、レドックス応答を有するゲルが得られる。このレドックス応答性ゲルはアクチュエーターやバイオセンサーなどの応用が期待される。このように、我々は、共有結合を使うことなく、機能性のアニオンと、自己集合性の短鎖アルキル脂質を用いることで、効率的に機能性アニオンを集積化させ、それに伴い機能性のハイドロゲルを作製することに成功した。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] Chang-Soo Lee: "Pillared Honeycomb Nano-architectures Formed on Solid Surfaces by the Self-assembly of Lipid-packaged One-dimensional Pt Complexes"Proc. Natl. Acad. Sci.. 99・8. 4922-4926 (2002)

  • [文献書誌] T.Yonezawa: "Formation of Nanoparticle Arrays at the Interlayer of Aqueous Phosphate Bilayers"Chem. Lett.. 5. 528-529 (2002)

  • [文献書誌] T.Nakashima: "Light-Harvesting Supramolecular Hydrogels Assembled from Short-legged Cationic L-Glutamate Derivatives and Anionic Fluorophores"Adv. Mater.. 14・16. 1113-1116 (2002)

  • [文献書誌] T.Nakashima: "Vesicles in Salt : Formation of Bilayer Membranes from Dialkyldimethylammonium Bromides in Ether-containing Ionic Liquids"Chem. Lett.. 10. 1018-1019 (2002)

  • [文献書誌] T.Yonezawa: "Metal Coating of DNA Molecules by Cationic, Metastable Gold Nanoparticles"Chem. Lett.. 12. 1172-1173 (2002)

  • [文献書誌] Chang-Soo Lee: "Solvatochromic Nanowires Self-assembled from Cationic, Chloro-bridged Linear Platinum Complexes and Anionic Amphiphiles"Chem. Lett. 12. 1252-1253 (2002)

  • [文献書誌] M.-a.Morikawa: "New Colorimetric Detection of Gluose by Means of Electron-Accepting Indicators : Ligand Substitution of [Fe(acac)_<3-n>(phen)_n]^<n+> Complexes Triggered by Electron Transfer from Glucose Oxidase"Chemistry-A European Journal. 18・24. 5580-5584 (2002)

  • [文献書誌] 黒岩敬太 他: "ジピリジル基を含むジカチオン型アゾベンゼン誘導体とパーフルオロカーボンジカルボン酸よりなるナノ組織体の形成"高分子論文集. 59・12. 772-777 (2002)

  • [文献書誌] K.Matsuura et al.: "Artificial Regulation of Transcription Applying Carbohydrate-Lectin Interaction"Chem. Commun.. 10. 1140-1141 (2002)

  • [文献書誌] K.Matsuura et al.: "Selective Expansion of GM3 Glycolipid Monolayer Induced by Carbohydrate-carbohydrate Interaction with Gg3 Trisaccharide-bearing Glycoconjugate Polystyrene at the Air-water Interface"Langmuir. 18・8. 6940-6945 (2002)

  • [文献書誌] 松浦 和則: "オリゴヌクレカチドの自己組織化による"Nucleo-nanocage"の創成"生体機能関連化学部会ニュースレター. 17・3. 14-17 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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