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2001 年度 実績報告書

DNAの二重鎖形成をトリガーとする信号増幅・変換機能および多重分子認識能の発現

研究課題

研究課題/領域番号 13022271
研究種目

特定領域研究(A)

研究機関関西大学

研究代表者

大矢 裕一  関西大学, 工学部, 助教授 (10213886)

キーワード分子シンクロナイゼーション / デオキシリボ核酸 / 自己組織化 / 分子認識 / 光エネルギー移動 / 相補的水素結合 / アロステリック効果 / 二重らせん
研究概要

本研究の目的は,機能分子を10残基ごとに組み込んだ機能分子/DNA・コンジュゲートが,相補鎖と二重らせんを形成すると機能分子をらせんの片側に等間隔に配列させることができることを利用して機能分子の配列化を達成し,DNAをトリガーとした信号の伝達・変換等の機能発現を達成することである。昨年度までに,光機能性クロモフォアをオリゴDNAに導入したコンジュゲートとマトリックスDNAを用いたクロモフォアアレイの構築およびその多段階の光エネルギー移動現象の観測に成功しているが,今年度は,フェムト秒パルスレーザーを用いた解析を行なった。今回,クロモフォアとして,JOE, TAMRA, ROXを選択した。各クロモフォア/オリゴDNA(10残基)コンジュゲートはこれまでと同様の手法で合成した。各コンジュゲートに相補的な配列をつなぎ合わせた配列を有する30残基のマトリックスオリゴDNAと各コンジュゲートとを水溶液中で混合し,DNA会合体上でクロモフォアアレイを形成させた。こうして得られたJOE-TAMRA-ROXの順にクロモフォアを並べたクロモフォアアレイの時間分解蛍光スペクトルを測定した。その結果,JOEの吸収波長でパルス励起した後,50ps後にはすでにTAMRAに由来する蛍光が観測された。この発光はROX非存在下(JOE-TAMRAのみの系)では約300psで最大となった。一方,JOE-TAMRA-ROXの系では,さらに時間をおいて(約700ps〜)ROXに由来する発光が観測された。これらの結果から,観測されたROXの発光は,初期励起によるものやJOEからの直接のエネルギー移動によるものではなく,メディエイターであるTAMRAを介した光エネルギー移動による発光であることが証明された。またこの2段階のエネルギー移動がピコ秒のオーダーで起こることも確認された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Ohya, K.Nagatomi, T.Ouchi: "Synthesis and Cytotoxic Activity of Macromolecular Prodrug of Cisplatin Using Poly(Ethylene Glycol) Having Galactose Residue or Antennary Galactose Unit"Macromol.Biosci.. 1. 355-363 (2001)

  • [文献書誌] Y.Ohya, T.Ouchi (他2名): "Design of Macromolecular Prodrug of Cisplatin Using Dextran with Branched Galactose Units as Targeting Moieties to Hepatoma Cells"Biomacromolecules. 2・3. 927-933 (2001)

  • [文献書誌] 大矢裕一, 大内辰郎: "DNAを用いた分子素子"関西大学工業技術研究所報 技苑. 107. 3-8 (2001)

  • [文献書誌] 大矢裕一: "高分子キャリア"Drug Delivery System. 16・3. 143-153 (2001)

  • [文献書誌] Y.Ohya, T.Ouchi (他2名): "Construction of Sequential Chromophore Arrays on Oligo-DNA Assembly and Their Energy Transfer Behavior"Supramol.Chem.. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] Y.Ohya (分担執筆): "Supramolecular Design for Biological Applications"CRC Press. 409 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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