平成13年度は、生体の優れた視覚機能に学んだビジョンチップの実現に向けて「ハフ変換を行う生体様集積回路」のアーキテクチャを開発し、それを用いた「動き認知システム」の実現可能性を検討した。 近年、生体の優れた視覚情報処理機能を解明するために、ハフ変換にもとづく視覚神経モデルが多数提案されており、ハフ変換と生体が行う視覚情報処理の間の興味深い関係が次第に明らかになってきた。そこで本年度は、生体のハフ変換モデルに着想を得た「アナログ・ディジタル混載ハフ変換チップ」を「動き認知システム」に導入して、高次視覚機能を有するビジョンチップの開発することにした。申請者が開発を行ったハフ変換チップは、変換を並列に行い、入力画像中の線分の特徴(原点からの距離と傾き)情報をインパルスで出力する「生体に学んだハフ変換チップ」である。本年度は動画像入力を扱えるようにチップ構成の拡張を行い、ハフ変換-逆ハフ変換の過程に「局所動き検出ネットワーク(遅れ信号の生成)」を導入して「動きの特徴」を出力するシステムを構成した。
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