研究課題/領域番号 |
13024201
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三輪 聡一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40157706)
|
研究分担者 |
服部 裕一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50156361)
深尾 充宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10250432)
|
キーワード | 内皮由来過分極因子 / 血管内皮細胞 / 血管平滑筋細胞 / 内皮由来弛緩因子 / チトクロームP450 |
研究概要 |
本特定領域研究の目的は、血管内皮細胞から放出され血管を弛緩する内皮由来過分極因子(EDHF)を分離・同定することである。我々は、まず、クローン化したKチャネルを用いたEDHFのバイオアッセイ系の確立を試みた。EDHF反応が再現性良く見られるラット腸間膜動脈において、各種カリウムイオンチャネル阻害薬を投与したところ、BK channelの阻害薬であるcharybdotoxinとSK channelの阻害薬であるapaminを同時投与した時に完全にEDHFによる弛緩反応ならびに過分極反応が阻害された。すなわち、EDHF反応に関与するカリウムイオンチャネルとしては、Ca^<2+>-activated K^+ channelが予想された。そこで各種Ca^<2+>-activated K^+ channelに特異的なプライマーを作製し、ラット腸間膜動脈においてRT-PCRを施行したところ、三種類のCa^<2+>-activated K^+ channelが発現していることを確認した。その中の一つであるBK channel α-subunitの遺伝子をHEK293細胞に発現させると、脱分極ならびに細胞内カルシウムイオンの上昇に伴い活性化されるカリウムイオン電流が確認された。EDHFの候補の一つとして、チトクロームP450代謝産物であるepoxyeicosatrienoic acid (EET)があげられている。そこで、EETをBK channelを発現させたHEK293細胞に投与したところEETはBK channelの電流を増加させた。その機序としては、EETがG蛋白質であるGαsの活性化を介してBK channelを活性化していることが推定された。その他、他のCa^<2+>-activated K^+ channelも現在cloning中で、EDHFとの関連を検討中である。
|