研究概要 |
(1)自然免疫抑制,活性化を検出する生物実験法の確立 生体防御遺伝子の転写制御領域にレポーター遺伝子(β-galactosidase)をつないだ遺伝子を導入したショウジョウバエを用いて,自然免疫制御物質をスクリーニングする実験法を確立した.本実験では,リポ多糖(LPS)非存在下,Dpt-lacZ系ショウジョウバエ3齢幼虫の脂肪体を用いる.自然免疫の活性化により抗菌ペプチド遺伝子の発現が誘導されるが,それに伴ってレポーター遺伝子の発現も誘導される.そこで,レポータータンパク(β-galactosidase)の産生量を測定する. (2)昆虫寄生菌の採取と培養 11種の昆虫寄生菌(不完全菌,子嚢菌,接合菌)を採取した.それらの中で,特に,ハナサナギタケ(Peacilomyces tenuipes (Isaria japonica))については,その菌糸体,子実体の生産条件を詳細に検討したうえで,大量培養した.ハナサナギタケに加えて,Nomuraea rileyi, Conidiobolus coronatusを大量培養した.その他の寄生菌は生物活性を測定することができる量を培養をした。現在,昆虫寄生菌エキスを調製し,自然免疫に対する作用や含有成分を検討している.
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