研究概要 |
珊瑚礁に群生するスナギンチャクから単離されたゾアンタミンは、抗炎症活性を有する海産アルカロイドである。上村、倉本らにより、同族のノルゾアンタミンが、骨粗髪症モデルマウスに対して優れた骨吸収抑制活性を示し、かつ、副作用がほとんどないことが報告された。骨に対しての作用メカニズムは不明だが、極めて興味深い。 【全合成研究】ゾアンタミン類の標的受容体探索を視野に入れて、ゾアンテノールの全合成研究を進めた。鍵工程とした分子内溝呂木-Heck反応は立体障害が大きく、収率の改善が課題であった。検討の末、エノンとした基質で閉環させると、収率が大幅に向上することを見出した。また、ヨウ化サマリウムを用いたシクロプロパン化により9位メチルを導入し、難関であった近接四級炭素(9,12,22位)の立体選択的構築に成功した。二重結合を酸化開裂後、C1-C5ユニットと連結した。ごく最近、アミノアセタール、ラクトンを連続環化させ、ゾアンテノールの官能基を全て導入した中間体の合成に成功した。全合成達成を目指し、鋭意検討中である。 【IL-6活性阻害】北里研究所の林と共同で、ゾアンタミン類(上村より供与)、合成したABC環部、CDEFG環部等について、IL-6依存性MH60細胞によるアッセイを検討した。IL-6活性阻害にはCDEFG環部を塩酸塩とした構造が必須である可能性が示唆された。
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