研究概要 |
ゲル瀘過カラムクロマトグラフィー(200kDa)やSDS-PAGE(104kDa)の結果から、PSTBPは非共有結合で二量体を形成していると考えられた。PSTBPは変性条件でGlycopeptidaseFと反応し42kDaのほぼ単一バンドを与え、単量体104kDaのうち、糖鎖が62kDa、蛋白質部が42kDaであると推定された。一方、PSTBPのN端24アミノ酸残基、及び、PSTBPのBrCN分解で得られた主な断片F1,F2のN端のそれぞれ25、46残基を決定した。その配列を基にprimerを設計してヒガンフグ肝臓から調製した全RNAを鋳型としてRT-PCRを行い、3つのcDNA断片を得た。それらの断片をprobeにして、ヒガンフグ肝臓cDNAライブラリーをスクリーニングした。その結果、アミノ酸レベルで96%のidentityを示す、2つの非常に類似したcDNA, PSTBP1(1261bp),PSTBP2(1304bp)が得られた。PSTBP1,2はそれぞれ389および391のアミノ酸からなると推定され、20番目までの疎水性に富んだアミノ酸配列はシグナルペプチドであると考えられた。シグナル部を除いた予想分子量はPSTBP1,2それぞれ、41876,41909 Daであり、N-deglycosylation体のSDS-PAGEで推定された分子量(42kDa)とよく一致した。また、PSTBP1,2ともに類似した配列が2回繰り返す構造を示した。それぞれN端側とC端側をPSTBP1-N(aa 1-202)とPSTBP1-C(aa 203-389)及び、PSTBP2-N(aa 1-202)とPSTBP2-C(aa 203-391)として比較した。PSTBP1-NとPSTBP1-Cのアミノ酸のidentityは71%、PSTBP2-NとPSTBP2-Cのidentityは66%であった。
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