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2001 年度 実績報告書

群体ホヤの発光物質

研究課題

研究課題/領域番号 13024232
研究種目

特定領域研究(A)

研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

千葉 和義  お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (70222130)

キーワード発光 / カルシウムイオン / マグネシウムイオン / ホヤ
研究概要

原索動物の群体ホヤ、クラベリーナミニアータ(Clavelina miniata)は、伊豆半島の下田付近の岩盤に固着して生息しており、力学的な刺激によって緑色に発光する。クラベリーナは、透明な皮(被嚢)に包まれており、被嚢の中に発光に関わる細胞(ファゴサイト)が存在する。個虫を摘んだり、つついたりするような力学的な刺激によって細胞が破壊されると、535nmをピークとする光を放出する。ファゴサイトの細胞膜が破壊されて、海水が細胞質に流入すると光ることから、海水中の何らかの物質が発光に関わっていることが予想される。単離した被嚢細胞を、高感度カメラを接続した顕微鏡下に設置し、微小針で1細胞づつ機械的に破壊することによって、1細胞の発光を確かめることができる。より詳細な発光条件の解明のために本研究では、単離した被嚢細胞を種々のイオンを含む人工海水中で破壊したところ、発光にはカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンが必要なことが明らかになった。すなわち、カルシウムイオンとマグネシウムイオンを含まない人工海水中では、発光が著しく阻害された。さらに、10mMカルシウムイオン(天然海水中のカルシウムイオン濃度)で発光が最大になることが、フォトンカウンターを用いた定量から、明らかになった。一方、1mM以下の濃度では、ほとんど発光しなかった。マグネシウムイオンも10mM付近で最大の発光量をもたらしたが、カルシウムイオンにくらべて約10%の発光量であった。以上の結果から、クラベリーナミニアータの発光は、比較的高濃度のカルシウムイオンで制御されていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sasaki, K., Chiba, K: "Fertilization blocks apoptosis of starfish eggs by inactivation of the MAP kinase pathway"Dev. Biol.. 237. 18-28 (2001)

  • [文献書誌] Iwasak, H., Chiba, K.et al.: "Molecular characterization of the starfish 1,4,5-trisphosphate receptor and its role during oocyte maturation and fertilization"J Biol. Chem.. 277. 2763-2772 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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