研究概要 |
これまでの研究において、藍色細菌の概日リズムを制御する生物時計の中核機能を担う時計タンパク質KaiA, KaiB, KaiCとその時計機能を微調整する時計関連タンパク質Pex, SasAを明らかにしてきた。しかしながら、これらタンパク質の生化学的活性と立体構造は未解明であった。 本研究計画においては、これら時計タンパク質及び時計関連タンパク質の構造と機能とを解析し、以下のことを解明した。 1.KaiCはATP存在下で可逆的に6量体リング構造を形成する。これは電子顕微鏡解析と単粒子解析に基づく成果である(国内共同研究の成果である)。 2.KaiAはKaiCと結合して、KaiCのリン酸化を促進する。 3.昆虫や哺乳動物では生物時計タンパク質として機能し、高等植物では生物時計への光入力系の光受容体として機能するCryのホモログが藍色細菌にも存在する。この藍色細菌CryのX線結晶構造を解明した(アメリカの研究者との国際共同研究の成果である)。 また、これらタンパク質の結晶化とX線結晶構造解析を進めている。KaiBとPexで結晶が得られており、現在X線結晶構造解析を精力的に進めている。
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