• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

高選択的金属濃縮を司る鍵化学物質の探索

研究課題

研究課題/領域番号 13024255
研究機関広島大学

研究代表者

植木 龍也  広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10274705)

研究分担者 道端 齊  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00111740)
キーワードバナジウム / 脊索動物 / 金属濃縮 / 液胞 / 遺伝子 / 金属キレートカラム / 電子スピン共鳴 / 血球
研究概要

海産の無脊椎動物であるホヤは、血球の種シグネットリング細胞(バナドサイト)の液胞内にバナジウムを高濃度に濃縮している。バナジウム濃度は最高で約350mMで、濃縮係数が1,000万倍に達するという特異な生理現象である。海水中のバナジウムは鰓あるいは腸を経由して血液中に入った後にバナドサイトに取り込まれると考えられる。その各過程にはバナジウムと親和性を持つ物質あるいは還元物質が関与すると思われる。本研究ではホヤの血漿中および血球中に存在する、バナジウム結合能を持つ新規タンパク質の同定を行なった。
バナジウムキレートカラムを用いて、バナジウム濃縮細胞の細胞膜画分から4.5kDaのタンパク質を同定した。このタンパク質に対応するcDNAが我々の持つESTデータベースから見つかり、全長42アミノ酸の未知のタンパク質であると推定された。このタンパク質に対するポリクローナル抗体を作製した。
同様の手法で、血漿から20kDaのタンパク質を同定した。N末端配列を決定した後、RACE法により全長をコードするcDNAを単離した。予想されるアミノ酸配列は既知のVanabinファミリーと非常に相同性の高い配列であった。
血球の可溶性画分をゲル濾過によって分画することにより、Vanabinよりも小さい分子量の位置にバナジウムのピークを3つ(A,B,C)同定した。ピークCは血球由来の黄色色素成分も含んでいた。これらの画分に含まれるバナジウムに由来するESRシグナルを解析したところ、ピークAはVanabinに結合した4価バナジウムとよく似たシグナルを与えた。ピークBもまた、Vanabinに結合した4価バナジウムとよく似たシグナルであったが若干ブロードであった。一方、ピークCは異なるシグナルを示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 道端 齊: "脊索動物-ホヤのバナジウム濃縮"化学と生物. 40. 687-692 (2002)

  • [文献書誌] Michibata, H.: "Vanadocyte is a cell holding the key to resolve the highly selective accumulation and reduction of vanadium in ascidians"Microscop. Res. Technol.. 56. 421-434 (2002)

  • [文献書誌] Yamaguchi, N.: "Expressed sequence tag analsys of blood cells in the vanadium-rich ascidian, Asidia sydneiensis samea-a survey of genes for metal accumulation"Zool. Sci.. 19. 1001-1008 (2002)

  • [文献書誌] Ueki, T: "Vanadium-binding proteins (vanabins) from a vanadium-rich ascidian Ascidia sydneiensis samea"Biochim. Biophys. Acta. (印刷中). (2003)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi