研究課題/領域番号 |
13024277
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
武藤 宣博 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 研究員 (70190858)
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研究分担者 |
中川 千玲 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 研究助手
山田 憲一郎 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 研究員 (30291173)
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キーワード | 分裂酵母 / 低分子物質 / 細胞増殖促進物質 / 培養上清 / スーパーオキシドディスムターゼ / 誘導期 |
研究概要 |
分裂酵母Schizosaccharomyces pombeの培養上清には増殖の誘導期を短くすることより細胞の増殖を促進する物質が含まれている。この活性は120℃20分間のオートクレーブによっても失活せず、pHの変化に関しても広い範囲で安定であることから、低分子の物質であることが予想された。 この活性物質を精製することを試みた。この物質はシリカゲルに不可逆的に結合し、シリカゲル薄層クロマトグラフやODS-80TmカラムをもちいたHPLCによる解析では活性を回収することができなかった。そこで有機溶媒による抽出とカラムクロマトグラフにより精製をすすめている。 部分的に精製された物質を用い、この活性物質の細胞への作用について、この物質が作用することにより発現量が変化することが期待される遺伝子の発現量を、この物質を加えた細胞と加えない細胞とで比較したが有意な差がみられる遺伝子は見つからなかった。 いくつかのS. pombe突然変異株において、培養上清を加えることの生育に対する効果を調べたところ、硫化物イオンからチトクローム系への電子伝達に関与するミトコンドリアに存在する酵素の欠損変異株で、培養上清を加えなかった場合に誘導期が野生株に比べて長くなっていた。この原因として電子伝達系の異常によりミトコンドリアから細胞質への活性酸素の漏出が増加している可能性が考えられた。そこでスーパーオキシドディスムターゼの欠損変異株を作成し、細胞質内の活性酸素の消去が押さえられた時に同様の現象がみられるかを調べたが野生株との違いはみられなかった。
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