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2002 年度 実績報告書

分裂酵母の生産する細胞増殖促進物質に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13024277
研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

武藤 宣博  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 研究員 (70190858)

研究分担者 中川 千玲  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 研究助手
山田 憲一郎  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 研究員 (30291173)
キーワード分裂酵母 / 誘導期 / 増殖促進物質 / 低分子物質 / 突然変異 / アデニン / ミトコンドリア / 活性酸素
研究概要

分裂酵母を培養する時に定常期まで培養した培養液の上清を加えておくと細胞の増殖が促進されるようになる。この増殖の促進は、対数期における増殖速度の増加ではなく、対数期にはいるまでの誘導期を短くすることに起因していた。同様の活性は出芽酵母の培養上清にも検出されたが、大腸菌の培養上清には検出されず、真核細胞生物に特異的な活性であることが示唆された。この活性は120℃20分間のオートクレーブでも失活せずpHについても広い範囲で安定であり、低分子の物質に起因していると考えられた。
この活性物質の精製を試みた。培養上清をpH2に調整した後、酢酸エチルにより抽出し、さらにSephadexG10カラムにより精製を行った。そこで得られた活性画分を逆層HPLCで分析したところ少数のピークが検出されたが、そのどれにも活性は認められなかった。現在も精製を続行している。普遍的に生物界に存在する物質について同様の活性を持つものがあるかどうかを検索したところ、アデニンがこの活性物質と同様の活性を持つことを見い出した。しかし、アデニンは活性物質とはクロマトグラフでの挙動が異なっていた。
この活性物質の作用機構を調べる目的で、誘導期が長くなる突然変異株をさがしたところ、ミトコンドリアの電子伝達系に関係するタンパク質の遺伝子の変異のなかに誘導期が長くなるものを見い出した。この原因として電子伝達系の異常により活性酸素の発生が増加しているために増殖の遅延がおこっている可能性を考えて、活性酸素消去系に欠損のある突然変異株の生育について検討したが、この増殖促進因子との関係を示唆する結果は得られなかった。分裂酵母のゲノムのDNA塩基配列より予想されるすべてのオープンリーディングフレームからなるDNAマイクロアレイを用いてこの活性物質による遺伝子転写活性の変化を検討したが、顕著な変化は見い出されなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Norihiro Mutoh, Chiaki W.Nakagawa, Kenichiro Yamada: "Characterization of Cu, Zn-superoxide dismutase-deficient mutant of fission yeastr Schizosaccharomyces pombe"Current Genetics +. 41. 82-88 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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