研究分担者 |
薮上 信 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (00302232)
石山 和志 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20203036)
荒井 賢一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (40006268)
ぺい 碩 東北大学, 電気通信研究所, 日本学術振興会外国人特別研究員
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研究概要 |
本研究では,インダクタの動作周波数2GHzを越すような強磁性共鳴周波数を有する磁性膜が必要である.本年度は,これを評価するために不可欠な9GHz帯域透磁率測定装置を完成させ,評価装置として実用化もできた.9GHz帯域の薄膜透磁率測定装置は世界に前例が無く,本年度で研究目標に達した.これによってCoZrOグラニュラ薄膜では3.8GHz, Co_<35.4>Fe_<40>B_<14.6>膜では5.8GHzなど,本研究の目的とする集積化インダクタに適用可能な磁性膜が得られていることを明らかにできた.また我々が開発したマイクロパターン化技術を高飽和磁化FeCo膜に適用すれば将来的に透磁率30を保ちながら共鳴周波数が10GHzを越すような磁性膜が実現できる見通しも得られた. インダクタの設計・試作に関しては,最適設計シミュレーションを進め,まずコイル材料をCuとした場合の空心インダクタの最適設計を終えた.代表例としてコイル幅7.5μm,コイル間隔4.0μm,膜厚3.0μm,4ターンでQ=16を実現しうる.このコイル上にマイクロパターン化した磁性膜を集積することが本研究の主目的であり,パターン化のためのスリットと,コイルギャップ(コイル辺同士の隙間)を対向させると浮遊インピーダンスが小さく,Q値を向上できることが明らかになった.これらを基にプロセス設計を終え,現在試作に入っている.15年度上期には完成し評価を行う予定である.
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