研究課題/領域番号 |
13025214
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西尾 茂文 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00111568)
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研究分担者 |
高野 清 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60302626)
永田 真一 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60013182)
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キーワード | 熱拡散 / 熱拡散板 / ヒートパイプ / 熱輸送デバイス / ヒートシンク / マイクロチャネル / 冷却制御 |
研究概要 |
本研究では、以下の3熱管理デバイスの開発を対象とし、本年度はそれぞれについて下記の成果を得た。 (a)本研究では、板厚が1mm以下で銅の100倍程度の熱拡散能力を有するヒートパイプ内蔵熱拡散板(放熱面積を拡大するためのデバイス)を"第三世代ヒートパイプ内蔵熱拡散板"と呼び、COSMOS heat pipeを内蔵した第三世代熱拡散板の開発を第一目標としている。本年度は、振動流駆動用のアクチュエータの改造により第二世代熱拡散板(銅の10倍以上の能力を有する熱拡散板)の段階に達した。 (b)第三世代ヒートパイプ内蔵熱拡散板と小型空冷マイクロチャネル・ヒートシンクの組み合わせのみでは、熱放散能力が不足することが予想される。そこで、リモート放熱装置に熱輸送するSEMOS heat pipe内蔵の第三世代熱輸送板の開発を第二目標としている。本年度は、SEMOS heat pipeについては研究が大きく進展し、内径0.5mmで姿勢によらず動作し、熱拡散能力も姿勢に依存せず、また毛管力型heat pipeに比べて遥かに高い熱輸送限界を有するSEMOS heat pipeを短尺化により開発した。 (c)冷却空気が流れるチャネル断面積を小さくしたマイクロチャネルでは熱伝達率が向上することが知られているが、同時に冷却空気を流すための動力が増大する。このため、マイクロチャネル・ヒートシンクの流路設計における最適化手法が重要となる。その際、通常寸法流路での知見が成立するか否かが議論の分かれ目となっている。本年度は、マイクロチャネル・ヒートシンクについても研究が大きく進展し、マイクロチャネルでは成立しないとされていた通常寸法流路における熱流動評価式が、少なくとも水については0.1mm程度以上の断面寸法の流路において極めて精度良く成立することを実験的に示した。
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