研究概要 |
本研究では,診断用集積チップの構築を目標に,ヒューマン・インターフェース・システム構築の観点から,テバイス・プロセス・材料に対する諸課題を解決することを目指している。 本年度は,ポリマー・ガラス材料を用いた接液部の微細加工を行い,生化学物質を含む液体の操作・反応系,特にナノリットルレベルの微量の液体を定量的に秤取し分配・合一を可能とする並列反応システムの構築を中心に行った。ポリマーの材料としては,導電性が低く,光の透過率は高く,成形が容易で安価なシリコン系ポリマーであるポリジメチルシロキサン(PDMS)を用い,ファブリケーションは,ソフトリソグラフィーによった。主要な成果を以下に示した(括弧内は発表先である)。 (I)微量液体秤取,並列操作 (1)微量液体秤取構造の開発とその改良(μTAS'02) (2)微量液体の定量分配系の構築と液滴反応への応用(化学工学会年会 & μTAS'02) (3)微量サンプル新規導入法を用いたLCによる血清蛋白の分離と定量(μTAS'02) (4)微量サンプル新規導入法を用いた核酸の電気泳動分離(HPCE2002) (II)シーケンシャル処理 (5)水性二相分配系などによる細胞の分離(μTAS'02) (6)分離した細胞からの核酸の抽出・精製(μTAS'02) (7)抗原抗体反応とその検出 (8)タンパク質の二次元分離(μTAS'02) (III)制御系・分析系とのインテグレーション(ガラス・ポリマーハイブリッド型) (9)固定化酵素反応とその温度制御(血清成分の分析)(化学工学会秋季大会 & HPCE2003) (10)電場のシーケンシャル制御による電気泳動分離 など など。
|