研究課題/領域番号 |
13025233
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
新宮原 正三 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (10231367)
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研究分担者 |
坂上 弘之 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (50221263)
高萩 隆行 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (40271069)
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キーワード | ジュール発熱 / エレクトロマイグレーション / サーモマイグレーション / LSI / 多層配線 / 走査サーマルプローブ顕微鏡 / 赤外線CCDカメラ |
研究概要 |
ULSI微細多層金属配線構造におけるジュール発熱の定量評価及び予測を行い、特にジュール発熱が顕在化した場合のエレクトロマイグレーション不良現象への影響を明らかにすることに注力した。まず、局所でジュール発熱が起き易くなるような配線パターンを形成し、赤外線CCDカメラ及び走査サーマル顕微鏡、さらには三次元熱対流シミュレーションを用いて、温度分布の高分解能測定をAl合金配線、Cu配線等に関して行った。シミュレーションを実験結果と対応させるためにパラメタ調整を行い、その元で、今度は実験的には実現できない材料構成での発熱による温度分布の予測を行った。 まず、ジュール発熱による平均温度増加は電流密度のほぼ2乗に比例することを確認したが、実際には配線内部に温度勾配が生じるため、高電流密度では著しい温度勾配が形成されることを確認した。また、配線が絶縁膜により被覆された場合には、温度上昇は絶縁膜の熱伝導係数に極めて敏感であり、熱伝導率が低い絶縁膜材料では著しい温度上昇が起きることを確認した。さらに、走査サーマル顕微鏡による表面温度分布測定は、空間分解能0.1μmが達成できたが、内部の配線の温度分布に関しては何ら検知できないため、正確な三次元的な温度分布評価においては、実験的観測とシミュレーションとの対応による総合的な解析が必要であることを再確認した。またさらに、高電流密度下で発熱が支配的となった条件下でエレクトロマイグレーション評価を行ったところ、ボイドが蒸発する不良モードの発生頻度が増加した。その詳細な機構に関しては更なる解析を必要としている。
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